感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
56
広島で被爆した人たちがその後をどう生きてきたか、今をどう生きているか。敗戦から20年後のレポート。依然多くの人が傷ついたままで、これまでに抱いていた高度成長期のイメージが変わった。こうの史代氏の代表2作品を彷彿とさせる。2021/02/28
Nobuko Hashimoto
25
おすすめ。原爆投下から20年、復興に取り残された人びとの様子の報告。「原爆スラム」、被差別部落、小頭児、調査に呼び出しながら治療や援助はしない米機関(ABCC)への怒りと反発、詐欺まがいのやり口で取り上げられた女性の反撃の精神、沖縄で一切の援助や医療を受けられない被爆者の実情など。小頭症の女性がドキュメンタリー映画「世界は恐怖する 死の灰の正体」にも出演されているので、Youtubeで視聴。ブログに詳しく記録。https://chekosan.exblog.jp/30174681/ 関連論文リンクも。 2020/08/10
かもめ通信
17
編者でもある作家山代巴が関わっていた「広島研究の会」のメンバーが、原爆投下後20年という節目に、様々なテーマで広島の被爆者のその後を追ったルポルタージュ集。在日朝鮮人、被差別部落、胎内被爆による障害児とその家族、被爆孤児、沖縄在住の被爆者といった被爆者援護活動の中でも特に置き去りにされてきた人々の姿を追う。「たいていのものは話半分だが、あれだけはかならず話のほうが小さい」たとえ語り尽くすことは出来なくても、語り継いでいかなくてはならない原爆の記憶、平和への願い。私も受け止めたい。2019/08/06
モリータ
11
◆1965年刊、2017年復刊。編者山代巴をはじめとする作家・ジャーナリストたちによる「広島研究の会」の成果としてのルポルタージュ集。被爆後20年当時、十分に実情が把握されておらず、理解・支援が行き届かなかった地域・階層・属性に生きる、いわばマイノリティの人々に焦点を当てる。◆章立ては以下の通り;§1「相生通り」/§2「福島町」/§3「IN UTERO」/§4「病理学者の怒り」/§5「あすにむかって」/§6「原爆の子から二十年」/§7「ひとつの母子像」/§8「沖縄の被爆者たち」2021/10/20
nazukenta
2
敗戦から20年たった広島。そのころの生々しい現実を知らされる。ABCCやスラム街は数年前ドキュメンタリーを見て知った。ここではページを割いて記述されている。やはり、過去の事実は知らないといけないと思った。失対なんて言葉は巡り合わないし、創価学会の食い込み方もびっくりするものがある。実はこの本は寄贈本で読んだのだが、約50年後となったが感謝申し上げる。2019/08/30
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