岩波新書
水墨画

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004140702
  • NDC分類 722.2
  • Cコード C0271

出版社内容情報

墨一色でつくり出された美の世界.水墨画は東洋絵画の精粋であり,東洋の材料・技術および東洋人独自の感覚と心境から生まれた美術である.数百年にわたって日本人がなじんできたこの水墨画の本質を,表現の心理と技術および禅宗思想との関係において明らかにする.著者長年にわたる東西美術への幅広い蘊蓄を背景に綴られた東洋画論.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

非日常口

16
省筆による水墨の世界。筆どころかそもそも画面に水も魚もないのに、それがフレームの外に感じることもあり、パルバース氏の完全有欠の世界でもある。色彩から離れることで仏教でいう無色界のような精神世界がそこには広がるようだ。資本主義社会における経営の語源は「経営位置」という水墨画の用語らしいが、経営はダイブ様変わりしてしまった。省略が少なくなり、すべて可視化を求めて透明性と表現するが、余計なことを増やし過ぎて過剰な見積もりで気韻は静止する。水墨画をやっている一人として、本書が再販されたことは嬉しく思う。2014/08/12

はちめ

7
初読の際と同様、内容より文体や用語について印象に残った。著者は明治中頃の生まれのようだが、現代日本人とは相当異なった言語感覚だと思う。例えば「省略にしたがうほかない。」という表現は、当時一般的に使われていた表現なのかもしれないが、現在は使われていないように感じる。本書は水墨画の入門書の古典でもあるが、明治期の日本語を味わうという読み方においても興味深い1冊です。☆☆☆☆2020/02/02

引用

2
もはやエキゾチシズムでしか理解できないのかもしれないがどっちでもいいという気もしてくる2020/02/21

はちめ

2
暈し、滲みと墨を節約すること以外分からなかった。漢文の読み下しがついていないのが困った。2016/03/13

yoshi41101

2
松岡正剛の「山水思想」を読んで大変面白かったので、参考文献となった本書を読んだ。特に「心情と表現」が面白かった。禅宗的な自分に厳しくよけいな事をやらないという方法は、蘇東波の詩でいう「無一物中無尽蔵、花あり月あり楼台あり」のような「描いたところより、むしろ描いていないところの方がもっと大事だ」というこころもちになってくるが、行き過ぎて白紙が最高!となってしまうと、見る者が感じ取れない独りよがりなものになってしまう。「余白」に観る者の心が現れる(対話できる仕組み)ような仕掛けが自然にできているのが名作なのか2010/07/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/240196
  • ご注意事項

最近チェックした商品