出版社内容情報
「あをによし奈良の都は咲く花の…」とうたわれた白鳳・天平時代の古代人はいかに生きていたか.壬申の乱から説きおこし,天皇を中心とする当時の支配層内部の葛藤を暴露するとともに,その専制と戦乱の下で苦しむ人民の生活と哀歓を生き生きと再現し,萬葉集を生み出した時代背景を明らかにする.真に萬葉集を理解するための道を開いた名著.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
69
壬申の乱から平安遷都まで、白鳳・天平時代を通史として描いた一冊。といっても単に歴史を記述したものではなく人々の行動の説明に著者の主観が入っているため、歴史小説を読むような面白さがある。その為学術書としては異例の一気読みしてしまった。個人的には万葉集は古今等構成の和歌集に比べ人間の感情が生に表れている気がするが、本書に描かれたように頻出する政変や天災と照らし合わせると寄りその感が強まるなあ。もちろん通史としても教えられる事多く、あまり馴染みのないこの時代が生き生きと目の前に描き出される、そんな本でした。2024/02/23
Mentyu
2
壬申の乱後の、国家建設に向けてはつらつとした白鳳時代と、白鳳時代の名残と憧れをひきずりながら、疫病・災害・巨大事業・政争で官民そろって疲弊を極めて行く天平(奈良)時代。既視感がすごいぜ。2022/05/29




