出版社内容情報
子どもは二歳になると,からだも心も成長し,個性がはっきりしてくる.しつけが始められ,母親と父親の考え方の違い,おばあちゃんとの育児をめぐる対立も出てくる.夜尿,どもり,テレビ,体罰など,しつけや子どもの心理の問題から,突然の発熱,腹痛など病気の症状や手当てまで,わかりやすく説かれた新しい型の育児書.
内容説明
子どもは二歳になると、からだも心も成長し、個性がはっきりしてくる。しつけが始められ、母親と父親の考え方の違い、おばあちゃんとの育児をめぐる対立も出てくる。夜尿、どもり、テレビ、体罰など、しつけや子どもの心理の問題から、突然の発熱、腹痛など病気の症状や手当てまで、わかりやすく説かれた新しい型の育児書。
目次
1 団地(ごはんを食べない(病気でない;強制はむだ)
オモチャをこわす―成長の必要経費
しかってもいいか(子どもの性分も問題;時間がたってはダメ;自然現象のように) ほか)
2 京都の家(団地から京都へ―おばあちゃんとママ;団地とちがう世界―ドクシンの人;おばあちゃん―家事の芸術家 ほか)
3 京の街(肩がぬけた―疼痛マヒ;指しゃぶり―私は孤独だ;ドモリ(形式より内容を;キョウ正はしない) ほか)
著者等紹介
松田道雄[マツダミチオ]
1908‐98年。1932年京都大学医学部卒業、小児科医
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
124
出版された当時(1961年)にはかなり評判を読んだ本です。私や両親は当時は読んでいませんでした。朝日新聞に連載されたものをまとめたものです。書かれた松田さんは小児科医でよく子どものことをわかっている感じがします。また岩崎ちひろさんの挿絵が項目毎に書かれているので目の保養にもなります。今ではかなり時代遅れと感じる向きもあるとは思いますが基本的なところは変化していないのではないでしょうか?2016/01/04
へくとぱすかる
60
1961年。「私は赤ちゃん」の続編。二歳になると、それはそれでさまざまな病気の心配も起こってくるが、たいていは鷹揚にかまえていていいということ。あせらずに子どもの気持ちもわかってあげてほしいということだ。ただし本当に危ない兆候はみのがさないことだろう。内容に古さはあるが、現在でも通用することが多いだろう。京都のなつかしい雰囲気でいっぱいなのも楽しい。社会情勢が子どもに影響するのも、スライドさせれば今と変わらない。2019/05/26
紙狸
22
1961年刊行。前作『私は赤ちゃん』に続いて、小児マヒのワクチンの話題が出てくる。当時、日本では米国製のワクチンを使っていたが、ソ連の生ワクチンの方が効果が高いのでは、と議論になっていた。戦後日本人のワクチンとの付き合いを考える材料の一つになりそう。語り手のこどもの環境は、前作では核家族という設定で、この本ではおばあちゃんが加わる。京都弁や町の描写に生活感がある。著者は京都で小児科を開業していた。2022/05/05
ふろんた
14
「私は赤ちゃん」に続いて読了。育児書というよりはとある家庭の1コマ。2歳になるとだんだんと自己主張できるようになってくるので、楽しい。ジュースを飲んだつもりが、どうやら薬だったらしく「盛られた」の発言にはウケた。2013/06/04
スリーピージーン
13
”「さあ、ぼうや、おしっこしてきましょうね」私は積み木をトラックに積む作業をしているので、中断されては困る。”という具合に、育児書なのだけど、お話としても面白くてふふっと笑う箇所がたくさんある。咳、おねしょ、しもやけ、予防注射と、自分もこうやって両親にめんどうかけて大きくしてもらったのかと思うと、感謝の気持ちがわいてくる。本作では嫁姑問題が物議をかもしたらしい。こどもはちゃんと大人の人間関係を見ている、ということですね。前作に続き、いわさきちひろさんの挿絵が可愛くてたまりません。2019/08/13