内容説明
南北の極に向かって各国の闘士が全力を傾注して突進している。本書は、数名の科学者から成る北極冬営隊員を極地へ運ぶ大任を果し、世界を震駭させたソヴェート連邦の飛行家ヴォドピヤーノフの記録である。その周到なる用意、燃ゆる如き科学的精神、人間が初めて北極に降り立った時の光景等。人間の力を切に考えさせる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
8
日本ではあまり知られていないが、スターリン期のソ連では北極開発も国を挙げてのビッグプロジェクトとされ、当時の熱気が伝わってくる。著者ヴォドピヤーノフは航空機による北極点着陸という無茶をやった人。米川正夫訳の名調子もあり、一級の冒険譚に仕上がっている。なお、ヴォドピヤーノフは独ソ戦で遠距離爆撃機師団長を務め、緒戦でベルリン空襲を敢行したが不首尾に終わり解任された。軍人としての経歴も波乱万丈。2022/10/13
かもすぱ
4
1939年初版。世界初の北極点越冬を成功させるべく、ソ連は北極点へ飛行機で人員を送り込む。その飛行士のヴォドピヤーノフによる手記。英雄譚冒険譚といった語り口で、極寒のサバイバル。自然の猛威を相手に飛行するのは、サン=テグジュペリの『夜間飛行』を連想した。ただこっちの方は科学をもって自然を制圧するという野心をひしひしと感じる。随所にソヴィエトやスターリン賛美がみられるが、時代柄仕方なく思えて著者の本心は見通せない...。旧仮名旧字体で骨太な読書体験。2022/01/15




