出版社内容情報
十九世紀末から二十世紀初頭にかけての満州は,日清戦争,拳匪事変,日露戦争,民国革命など,世界的な大事件の舞台となった.本書は一八八三年,この満州に伝道医師として渡来し,その後老齢で故国に帰るまで四十年間献身的に満州人のために尽くして民衆の信望を一身にあつめたスコットランド人クリスティーの自伝的回想記である.
内容説明
十九世紀末から二十世紀初頭にかけての満州は、日清戦争、拳匪事変、日露戦争、民国革命など、世界的な大事件の舞台となった。本書は一八八三年、この満州に伝道医師として渡来し、その後老齢で故国に帰るまで四十年間献身的に満州人のために尽くして民衆の信望を一身にあつめたスコットランド人クリスティーの自伝的回想記である。
目次
値するか
坂を上る仕事
奉天・その市街と住民
橋を渡す
支那の醫術
氣候、疾病、並に洪水
東洋と西洋・誤った判斷
騒しき群を離れて
進歩・一八八三‐一八九四年
戰爭開始の側面・一八九四年〔ほか〕
著者等紹介
クリスティー[クリスティー] [Christie,Dugald]
1855‐1936年。スコットランド生まれ。医師、キリスト教伝道者
矢内原忠雄[ヤナイハラタダオ]
1893‐1961年。1917年東京大学卒業。経済学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
19
19世紀後半の満州の状況がよくわかります。北清事変、風土の話が良かったです。2024/01/15
千本通り
3
奉天が未だ開かれる前から居住して、キリスト教の布教に努めた伝道医師の話。上巻では1900年の義和団の乱までを描く。訳した矢内原忠雄は有名なキリスト教徒だが、この本が出版される前年にいわゆる「矢内原事件」で東大教授を辞職させられ、岩波書店から発行された「民族と国家」は発禁処分を受けている。そのようなさなかに出た本であるという背景も一応知りながら読んでもらいたい。2024/07/23
ymazda1
2
タイトルを見て、どうせ満州国の話でしょと敬遠してた本だけど、読んでみて初めて、満州国以前の列強がしのぎを削る地の病院のお話だと知った・・・脚注や当時の資料とかを充実させて単行本で再出版したり、ドラマにしたりとか、あらためて再評価されてしかるべき本だと思った・・・あと、イザベラ・バードの登場は、ちょっとうれしかった。