出版社内容情報
優れた学者であると共に,毅然たる信念に生きる人として知られる著者が,その尊敬する人物の中からエレミヤ,日蓮,リンカーン,新渡戸稲造の四人を選び,その生を溌剌と描いたものが本書である.太平洋戦争中にこの書が生まれたことの重みと併せて,彼らの宗教的信念の深さは,今日なおわれわれの心を打つ.
内容説明
優れた学者であると共に、毅然たる信念に生きる人として知られる著者が、その尊敬する人物の中からエレミヤ、日蓮、リンカーン、新渡戸稲造の四人を選び、その生を溌刺と描いたものが本書である。太平洋戦争中にこの書が生まれたことの重みと併せて、彼らの宗教的信念の深さは、今日なおわれわれの心を打つ。
目次
エレミヤ(預言者の自覺;申命記改革 ほか)
日蓮(立正安國論;龍の口法難 ほか)
リンコーン(青年時代;洲會議員より大統領當選まで ほか)
新渡戸博士(入學式演説;新渡戸博士の教育精神 ほか)
著者等紹介
矢内原忠雄[ヤナイハラタダオ]
1893年愛媛県に生まれる。1917年東京大学法学部政治学科卒業。東京大学名誉教授。1961年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
marukuso
2
エレミヤ、日蓮、リンカーン、新渡戸稲造について、著者なりの解釈を施し、尊敬する人物として記述。これら4人は生きた時代、境遇、国籍など異なる点は多々あるが、共通する部分として「悲哀の人生」を送っている。著者はこの悲哀の人生に重きを置く。これら4人の人物像や関係する出来事などについても理解できる一冊。2011/05/19
くり坊
1
エレミア、日蓮、リンカーン、新渡戸稲造と並ぶ人物名を目次に目をやって、果たして、この自分が「尊敬する人物」で筆を取ったとき、誰をして書こうか?が、ふと頭をよぎった。内村鑑三が『代表的日本人』という本を書いていて、たしか岩波文庫で出ているが、あそこには、誰が書かれていたのか?が、あやふやな記憶ながら、ちょっと気になった。2024/04/06
Tonex
1
「エレミヤ」の章のみ読む。妥協と打算を知らぬ激語の人。そのためよけいに敵の憎悪を買い、世の同情を失った。しかし著者は言う。「悪を怒ることの出来ない打算家よりは、彼の方が愛すべきではありませんか。円満と上品を好む紳士淑女諸君は、耳を掩うてあちらを向き給へ。エレミヤは諸君の友ではありません。」2013/08/12
山根清志
0
矢内原忠雄氏が「エレミヤ」や「日蓮」のような人物を尊敬に値すると思うのか理解に苦しむ。エレミヤの存在価値は何か。種々の予言(預言)が外れたあげく、エルサレム滅亡の預言だけ的中(しかし、エレミヤにはエルサレムは救えなかった)した。ただ単に世間に軋轢を生み平和を乱しただけではないのか。日蓮は良観(忍性菩薩)を悪僧と罵ったり、能因(法師)を破戒僧といったり、和泉式部を淫婦といったり激しく中傷する。純心であれば、他人を罵っても良いのか。日蓮は自分の思想を他人に押し付けることに専心したに過ぎない。2024/06/10
愛希穂
0
エレミヤ書をじっくり読んでみたいと思います。2012/03/13