出版社内容情報
芸術の存在は，求め悩み欠けたものにたいする代償の花であると著者はいう．芸術家を英雄視し聖人化しようとするほど馬鹿げたことはない．そのような考えから，ベートーヴェンの凡人としての悩みを見逃がさず，あくまでもリアルに人間ベートーヴェンの全貌に迫り，彼が生み出した幾多の名曲の背景や秘密を解き明かす．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岩巳岳雄(Takeo Iwami/leas201903)
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資料も兼ねて家にあった本をなんとなく読んでみたら1938年初版だった。いわゆる新書というより伝記物語のように読んだ。圧倒的な音楽の才能に対して、社会性や心理的安定のバランスを決定的に欠いているベートーヴェンに、転倒した人間的魅力を感じた。そう言えば手塚治虫の遺作のひとつも「ルードウィヒ・B」だったなあ2021/09/29
