出版社内容情報
さらば友よ。レヴィナスから受け継いだ「ア-デュー」という言葉。デリダによる応答は、レヴィナスの遺産を存在論や政治の彼方にある倫理、歓待の哲学へと導く。デリダがパンタン墓地で読み上げた弔辞と、集会「エマニュエル・レヴィナスへのオマージュ」で行った講演「迎え入れの言葉」を収録。
内容説明
さらば友よ。レヴィナスから受け継いだ「ア‐デュー」という言葉。デリダによる応答は、レヴィナスの遺産を存在論や政治の彼方にある倫理、歓待の哲学へと導く。デリダがパンタン墓地で読み上げた弔辞と、集会「エマニュエル・レヴィナスへのオマージュ」で行った講演「迎え入れの言葉」を収録。
目次
アデュー
迎え入れの言葉(1;2;3;4;5;6)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シッダ@涅槃
15
読む前はどんな難解なことが書かれてるか、果たして読了できるのか、おっかなびっくりながら読んだが、文自体は割と平易。ただ、内容は理解しきってないと思う。繰り返し読むべき本で、特に弔辞及び講演文なので、いきおい重視で原注は読み飛ばした(訳注は概ね読む)。個人的には蓮實重彦『フーコー・ドゥルーズ・デリダ』が役立つた。詳細は忘れてしまったが、エクリチュール論の「いつだって、どこだって」生起可能なのだから、根源よりも前(先-根源的)にも生起する、という思想を知らなかったら、とっかかりがなかっただろう。2024/10/28
tyfk
8
デリダもレヴィナスもユダヤ人。イスラエル、パレスチナ、シオニズム、ナショナリズム、それらをめぐる両者のことばの違いを追うのだけれど、複雑に入り組み絡み合っていて、単純化を拒む文体。むかしレヴィナスは何冊か読んだけど、あまり読み返す気にはなれない。2024/10/30
sansdieu
1
デリダは『エクリチュールと差異』でかねてからレヴィナスの倫理思想がユダヤ教、ユダヤ人の共同体を背景として前提にするがゆえにそのうちに閉ざされ、ユダヤ人以外の他者に排他性をもつ危うさをもっていることを警告して来た。デリダは本書でもレヴィナスの思想がシオニズムを超えて他者を歓待しようとする思想であろうとしたことをていねいなレヴィナス読解わ通して明らかにしていく。イスラエルが無辜のパレスチナ市民でさえ大量殺戮の対象にすることを厭わない現在の状況だからこそ、改めて読まれるべき本である。2024/12/29
三陸わかめ
0
応答責任、汝殺すなかれ、歓待2025/05/24