出版社内容情報
一八六四年五月、ロシアに対するポーランド蜂起が終息。一貫してポーランドを支持し続けたゲルツェン(一八一二―七〇)は、ロシアの世論から孤立し、新聞《コロコル》も終刊、失意の最晩年を迎える。西欧の政治世界では英独仏の三強による覇権争いの時代が始まる。ゲルツェンは自分の時代が終わったことを痛感する。(全七冊完結)
内容説明
一八六三年のポーランド蜂起を支持したゲルツェンは、ロシアの世論から孤立し、新聞《コロコル》も終刊、失意の最晩年を迎える。西欧では英独仏の三強による覇権争いが始まった。ゲルツェンは時代が大きく変わったことを痛感する。(全七冊完結)
目次
第七部 自由ロシア印刷所と《コロコル(鐘)》(承前)(一八五八‐一八六二)(R・ウェザリー商会「ウォード・ジャクソン」号;ペチェーリン神父;イワン・ゴロヴィーン)
第八部 断章(一八六五‐一八六八)(徒然に;〈ヴェネツィア、麗し〉(一八六七年二月)
〈麗しのフランス〉)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
47
ポーランドの独立を支持した結果、祖国ロシアから完全に爪弾きにされてしまったゲルツィン。西欧への憧れは掻き消え、それに抗う為に「自由」を謳う者も口先ばかりの者か他者に思想や行動を依存する者ばかり。だからか、唯一、自分に熱心なフォロワーでもあったゴロヴィーンには辛辣に評している。また、修道院へ亡命したペチェーリン神父との往復書簡が頗る面白い。迷妄を晴らす科学こそが文明の良くすると考えるゲルツィンに対し、だからといって宗教という拠り所すらも否定する事はできないと説くペチェーリン神父は今も試金石として通じるだろ2025/06/14
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