岩波文庫<br> 開かれた社会とその敵〈第1巻〉プラトンの呪縛〈上〉

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岩波文庫
開かれた社会とその敵〈第1巻〉プラトンの呪縛〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 514p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003860250
  • NDC分類 133.5
  • Cコード C0110

出版社内容情報

ナチズムの虎口を脱したポパー(一九〇二―九四)は、亡命先のニュージーランドで、左右の全体主義と対決し、その思想的根源をえぐり出す大著の執筆に着手した。その第一巻では、プラトンを徹底的に弾劾、大哲学者を玉座から引きずりおろすとともに、民主主義の理論的基礎を解き明かしていく。政治哲学上の主著の全面新訳。全四冊。

内容説明

カール・ポパー(一九〇二‐九四)は、亡命先のニュージーランドで、左右の全体主義と理論的に対決し、その思想的根源をえぐり出す大著を執筆した。第一巻では、大哲学者プラトンを玉座から引きずりおろすとともに、民主主義の基礎を解明していく。(全四冊)

目次

起源と運命の神話(ヒストリシズムと運命の神話;ヘラクレイトス;プラトンのイデア論)
プラトンの記述社会学(静止と変化;自然と協定)
プラトンの政治綱領(全体主義下における正義)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイトKATE

33
20世紀は民主主義が発展した一方で、全体主義が登場した世紀だった。カール・ポパーは、「開かれた社会」である民主主義の最大の敵として、全体主義の源流を思想面から分析した。前半は全体主義の原流は、プラトンにあると指摘し糾弾している。ポパーは、プラトンが階級社会を容認し、支配階級が労働者や奴隷を統治するのが最善の社会であり、人間は個人のために生きるのではなく国家に仕えることが正義であると看破している。プラトンの思想には人間の自由よりも国家が最優先されていることに、ポパーは全体主義への影響を読み取ったのであろう。2024/01/23

Ex libris 毒餃子

14
プラトニズムに乗っ取った歴史主義を批判する本。注が200ページちかくあって『プロ倫』かと思った。2023/04/21

zunzun

6
カール・ポパー『開かれた社会とその敵 プラトンの呪縛』を購入し、読了しました。 とにかく全体主義への憎悪が凄まじく、古代ギリシャの思想家、プラトンの記述から全体主義的、共産主義的なにおいを嗅ぎつけ、爬羅剔抉し徹底的に否定しています。歴史に法則があると考え、科学的な装いをしている社会哲学的傾向をヒストリシズムとよび、プラトンもそれに依存しているといいます。2023/02/23

A.Sakurai

6
1991年初冬にソ連を旅行していた.ソ連の崩壊を目の前にして,この強固な統制構造が無くなってどうやって国を統治していくのだろうと心配半ば,興味半ばだった.そして四半世紀後,馴染み深く見覚えがある形に落ち着いた.結局それかよ!納得半ば,残念半ばである。本書はナチスや共産主義といった全体主義政治を批判する政治哲学書だ。本巻では源流をたどってプラトンの,なかんずく『国家』の内容を解釈し批判する.著者は1992年版の序で書いている「かつて法治国家というものの存在しなかったロシア」.結局ここに問題があるのだろう.2023/07/25

ポルターガイスト

6
ずっと読みたかったので新訳の出版に合わせて読んだ。第1巻は副題のとおり,プラトニズムにもとづく社会集団のあり方をプラグマティズム的な態度でボロカスに批判している。個人的には聞きしに勝る名著だと思った。最高だった。ずっと自分が抱いていた〈閉じた〉社会の問題を露悪的なほど徹底的に暴き立てていた。絶対残り3巻も読む。4月の2巻発売まで待てない。しかしあまりに中毒性があって分かりやすいので,割り引いて読まないと同じ穴の貉になるんだろうなあ。2023/02/26

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