岩波文庫<br> 動物誌 〈上〉

岩波文庫
動物誌 〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 544p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003860113
  • NDC分類 480
  • Cコード C0145

出版社内容情報

人類の動物学的知識をはじめて学問的体系に集録した著作.アリストテレースの観察家としての才能が発揮されており,約120種の魚や60種の昆虫を含む,500種を越える動物が研究の対象となっている.(全2冊)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

106
見聞に基き520種を越える動物学的知識を初めて学問的体系に集録した大著。他の著書に比べて客観的叙述が占め、本文に匹敵する量の注釈を要する現今でも観察眼や考察力は色褪せないものがある。上巻は研究法と発生論序論で、ヘビの内部器官、頭足類の解剖などの記述は極めて正確。一方で、人体解剖が禁忌の社会だけに心臓や血管系をはじめ人体内部は実見よりも自然哲学の演繹に依拠した面があり、それは巻貝類のらせんや運動にも現れている。分類法はかなり柔軟でざっくりだが、足を運動器官の要とし、赤血の有無で大別する観点は起点として明晰。2023/08/22

壱萬弐仟縁

9
3分の1程訳注。獣医になる人の基本文献か。評者は門外漢なので興味のある種や器官を読む感じ。人類の解説では、「精液のできはじめるのは14歳頃であるが、生殖能力がつくのは21歳頃である」(219頁)。日本の少子化問題では、どの年齢が子をもうける適切な時期なのか、もっと真剣に考えていたなら、手遅れになっていなかったであろう(仮定法か 苦笑)。儲けることのできない非正規ではどうして子をもうけることができようか、いやできない(反語的疑問文か これまた苦笑)。種によって平均寿命も違う。多様な動物を一人でまとめるとは。2013/03/12

ヴィクトリー

5
かなりの種類の動物について、なかなか細かく書かれてある。生殖について多くの頁が割かれているのは生成・消滅を詳しく論じた哲学者故か。しかし、当然の事ながら誤謬もあり、虫のサナギを卵の様なものと考えていたので、幼虫・卵は別種の物と思われていたり、虫や魚では泥などから自然発生する物がいるとか、呼吸は冷却の為に行なわれている、とか。まあ、顕微鏡も無ければ人体解剖も行なわない時代に書かれたものなので仕方ないところか。注にウナギの卵巣が発見されたのは18世紀、とあるのにも驚いた。これではアリストテレスを責められまい。2013/05/26

AR読書記録

4
時代が時代なので、せいぜいこんな動物がいる、いるらしい、といった、多少眉唾含む生態紹介くらいかな、と思っていたら、大変失礼しました。観察する器具なども今から思えばよっぽど素朴であったようなときに、よくぞここまでと思う解剖学的知見から、海の中など様々な条件下で根気よい観察を重ねた結果であろう(全て自分でやったわけではないけど)生態の記録までで。そう思うと、解説で「もちろん間違っている」みたいに書いてあるのはさすがにキビシイというか、ちょっと不粋な感じもしてしまうな... でも解説もとても面白いのだけれど。2013/12/12

はちくま

1
時代が時代だし、けっこうトンデモなんだろうなあと思ったら、今でも通用するような部分も多くてびっくり。観察すると違うものですねえ。訳注のちょっと突き放した感じがCOOLで、ときどき爆笑してしまった。2013/01/11

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