出版社内容情報
魯迅をモデルとする〈周さん〉の、仙台の医学専門学校に留学していた時代の葛藤を描いた「惜別」。結核療養所で闘病する若者〈ひばり〉の書簡を通じて綴られる、みずみずしい恋愛小説「パンドラの匣」。戦中・戦後の激動の時代に、作者が苦悩しながら世に問うた〈青春小説〉二篇を収める。(注=斎藤理生、解説=安藤宏)
【目次】
惜 別
パンドラの匣
注(斎藤理生)
解説(安藤 宏)
内容説明
魯迅をモデルとする〈周さん〉の、仙台の医学専門学校に留学していた時代の葛藤を描いた「惜別」。結核療養所で闘病する若者〈ひばり〉の書簡を通じて綴られる恋愛小説「パンドラの匣」。戦中・戦後の激動の時代にあって、作者が苦悩しながら世に問うた〈青春小説〉二篇を収める。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
46
戦中・戦後の激動の時代の中で書き上げた2編の中編がおさめられています。医学留学時代の葛藤、病の中の恋愛というテーマはまさに青春小説というのに相応しいように思えました。苦悩の中で描いたようですが、それぞれが明るい余韻を残すのが印象的です。2025/08/19
ピンガペンギン
37
「惜別」仙台医学専門学校に留学してきた周さん(魯迅がモデル)と、東北のどこかから来た学生との交流、また藤野先生との出会いと別れ(題名は藤野が魯迅に渡した写真の裏に書かれていた言葉から。「藤野先生」より)が描かれている。私は魯迅の小説を1冊位しか読んでいない。それでも作者の魯迅の文学への共感が読み取れたように思う。P149「この苦しい内省の地獄が、いよいよ、人の百感の絵図ともいうべき文芸に接近させたのではあるまいか。もとより「好きな道」である。」2026/04/19
ピンガペンギン
27
「パンドラの匣」結核になった青年らの健康道場での人間模様か。手紙形式で、主人公が病気なのに明るい調子だ。どうにも入りきれず、60ページ位まで読んでやめることにした。2026/05/05
Y.T.
1
『惜別』が面白かった。『阿Q正伝』で有名な魯迅の青春時代(仙台医学校時代)を描く。当初はナイーブに近代科学を信奉し、医学救国により同胞民衆を覚醒させることを目指していた周さん(のちの魯迅)だが、明治維新が「科学的思考」ではなく「国学的な忠義の伝統」によるものとの洞察から、徐々に精神的・文化的教化の重要性に力点を移動させる。結局同時代の革命運動や近代科学に対しても堕落を見出し絶望寸前に陥るが、それは周さんの中で科学や近代への純粋な畏怖が終焉し、「青春時代=人類の青年期としての近代」の陰りと理解されるだろう。2025/08/31
くまちゃん
0
2つの話が読めるようになっています。私は、ドラマで最近出てきた「パンドラの匣」が読みたくて読みました。戦後の話なので、難しい言葉とかがありましたがきちんと後ろに辞典のように意味が書いてあり助かりました。2026/05/13




