出版社内容情報
支配はいかにして成り立ち、何によって支えられるのか。支配の諸構造を経済との関連で論じたテクスト群。ウェーバー没後に編集された『経済と社会』のうち、『支配の社会学』として知られてきた部分を全集版に基づき訳出。詳細な訳注や用語解説を付す。Ⅰは官僚制・家産制・封建制をめぐる章を収録する。(全二冊)
内容説明
支配はいかに成り立ち、何によって支えられるのか。支配の前提と諸構造を、経済との関連で論じたテクスト群。ウェーバー没後に編集された『経済と社会』のうち、『支配の社会学』として知られてきた部分を訳出。詳細な訳註や用語解説を付す。
目次
支配(権力と支配。過渡的形式;支配と行政―民主的行政の本質と限界;「組織」による支配、妥当根拠)
官僚制(近代的官僚の機能様態;権限 ほか)
家産制(家父長制的支配構造、日常的性格、パーソナルな服従;家長の権力、家の子どもと奴隷の子ども ほか)
封建制(封建制の分類;レーエン(封土) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
106
この本はすでに創文社版の「支配の諸類型」で読んでいますが、岩波文庫で新たな訳で出版されたので再読してみました。Ⅰでは「官僚制・家産制・封建制」ということでかなり理解しやすい構成になっています。数ページの項目に分かれていて用語解説もあります。最近の日本ではあまり読まれないのでしょうが、私の時代には比較的重要な参考文献でした。支配の類型の一つとして日本の官僚制と比較して読むとかなり知見があります。2024/05/09
逆丸カツハ
33
ウェーバーはすごいなぁ。圧倒される。官僚制の古さに驚く。理解しきれたとは到底言えないが。ウェーバーその人の人となりに興味が湧く。2025/10/08
nbhd
19
おい、ウェーバー、100年以上も前にその問題意識って、天才じゃね、っていうのが素直な感想。僕の素の頭で、「官僚制」にかこつけて、現在勤務中の某金融機関における本質的な課題について迫るのであれば、問題は「限界中間管理職」にある。中間管理職に「ゆとり」があれば、堅牢強固な官僚的組織にならないのになぁ、と思った。本論の序盤では、少しずつ官僚制の定義がされていくのだが、中盤、古代ローマやイギリス、アメリカの政府組織とプロイセンのそれが比較されていくあたりからブーストする。副業としての統治、これがキーワードだ。2025/10/30
加納恭史
16
古代ユダヤ教(上)は難しかった。支配について、古代の家父長制、カリスマ制、官僚制、封建制など支配と被支配の関係を歴史的に説明することは難しい。そのウェーバーの社会学的な解明意欲は素晴らしい。最初の発言はゲマインシャフト行為、社会行為である。それが歴史と共に合理的なゲゼルシャフト化(目的的合理的な秩序に準拠した関係)して行く。ゲゼルシャフトとは共同的な社会行為の。そこに支配の行使がある。その行為は経済との関連が深い。最初の支配形態は家父長的支配で次に家産制がある。荘園も家産制の一つ。鋭い歴史分析に舌を巻く。2025/09/10
Ex libris 毒餃子
15
支配の正当性についての論拠について勉強出来てよかったです。宗教社会学者からスタートした学者としてのキャリアをまざまざと感じる。後半の政体についても期待しています。2024/11/17
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