岩波文庫
ゲマインシャフトとゲゼルシャフト―純粋社会学の基本概念〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 227,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003420720
  • NDC分類 361
  • Cコード C0136

出版社内容情報

人間の意志を本質意志と選択意志に区分し,この二典型に対応して社会を実在的有機的生活としてのゲマインシャフトと,観念的機械的構成体としてのゲゼルシャフトに区別して社会生活の根本問題を分析する.この方法で十九世紀における合理主義と歴史主義の対立の綜合克服を試みたところに本書の特色がある.

内容説明

社会をゲマインシャフトとゲゼルシャフトに二大分した著者は、それぞれをさらに植物的、動物的、人間的とよばれる生命発展の3段階に対応させて、家族(血縁社会)・村落(地縁社会)・都市(友情社会)、および、大都市・国民・世界の6つの範疇に分析する。こうしてゲマインシャフトからゲゼルシャフトへの社会発展の方式が明らかにされてゆく。

目次

第2篇 本質意志と選択意志(対立の解明;経験的意味)
第3篇 自然法の社会学的基礎(定義と命題;法の自然的要素;結合された意志の諸形式―共同体と国家)
附言 結論と概観

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

5
伝統共同体と近代社会が、有機体-機械、文化-文明、実存-精神、民族-国家などというお馴染みの範疇の二項対立で捉えられている。後の保守主義者たちに濫用される素地は十分あったわけだが、テンニースにおいてはドイツの伝統たる弁証法的思考により忠実であり、社会は共同体から生れ対立し、そしてまた社会を包含した形で共同体(共産社会)へと回帰していく。だから、二項対立は発展段階であり人種化されない(共同体=ドイツ的、近代社会=英仏的、ユダヤ的など)。ここが観念論的社会学とそれを俗流化した保守主義との分かれ目らしく思える。2019/02/14

KAZOO

4
上巻のほうは比較的内容的には理解しやすかったのですが、上巻の最後のほうから下巻は理念的・概念論的な部分が多く理解が追い付かない感じで時間がかかりました。最近はこのような本は大学では教科書あるいは参考文献に推薦はしないのでしょうね。せいぜいマックス・ウェーヴァーまでですかね。2013/11/15

ちゅん

3
上巻の説明を更に発展させた下巻。ゲマインシャフトとゲゼルシャフトは植物的、動物的、人間的の生命発展があるように発展形態があることを説明。ゲマインシャフトのそれは、家庭→農業→芸術。ゲゼルシャフトのそれは、大都市→国家→世界、学者共和国 となります。差別的表現は多少気になりますが、社会の組織はゲマインシャフト、ゲゼルシャフトに分けることができるという考えは概ね納得できます。2017/12/11

壱萬参仟縁

2
ゲマインシャフトは家族生活、村落生活、町生活。ゲゼルシャフトは大都市生活、国民生活、世界主義的生活となっている(p.208)。今日的には、前者がミクロ社会で、後者がマクロ社会のような印象も与える。評者が注目した節は、27の天職と仕事、30の道具の製作における芸術、42の文化と商業、やや飛んで24の自治共同体である。2012/04/17

古川

1
テンニースは当時としては最先端の科学や生物学の知識を動員して合理主義的に自説を演繹しようとしているが、いまとなってはその努力も多くはむなしいものになっている。しかし本質意志として家族や村落などそれ自体が目的であるゲマインシャフトと、選択意志の結果としての、企業や国家等の経済的目的を遂行するための組織であるゲゼルシャフトという二元論は、「家族的な職場です」だの「お金のために働くんじゃない」だのといった言説の氾濫する現代日本において有益な思考実験だと思う。2016/12/29

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