出版社内容情報
資本主義の発展史の解明に取り組んだ経済史家・大塚久雄(1907-96)は、その前段階にある「共同体」の成立と解体についても考察を進めた。「土地の占取」に注目して、アジア的、古典古代的、ゲルマン的の三形態の共同体を区別し、前近代社会の理論的な見取り図を描いた『共同体の基礎理論』のほか、関連論考を併せて収録する。
内容説明
資本主義の発展史の解明に取り組んだ経済史家・大塚久雄(1907‐96)は、その前段階にある「共同体」の成立と解体についても考察を進めた。「土地の占取」に注目して、アジア的、古典古代的、ゲルマン的の三形態の共同体を区別し、前近代社会の理論的な見取り図を描いた表題作のほか、関連する論考を併せて収録する。
目次
1 共同体の基礎理論(序論;共同体とその物質的基盤;共同体と土地占取の諸形態)
2(生産力における東洋と西洋―西欧封建農民の特質;いわゆる「封建的」の科学的反省;「共同体」をどう問題とするか;内と外の倫理的構造;マックス・ヴェーバーのアジア社会観―とくに彼の共同体理論について;アジアから見た文化比較の基準)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
79
大塚先生の名著がまた岩波文庫に収められました。学生時代に薄い本で読んだことがあるのですが詳細は忘れていました。ただそれまでの西洋史に感じていた物足りなさが(庶民があまり出てこない)若干ながら満足させられたことを思い出しました。共同体の諸形態を三つ(アジア的形態・古典古代的形態・ゲルマン的形態)に分けて分析されていたことも非常に新鮮な思い出です。2022/01/08
Ex libris 毒餃子
13
共同体研究を通じて、日本の近代化を目指そうという気概をビシビシ感じる。2022/10/29
マヨケチャ
0
他六篇があることが基礎理論への理解にとても役立つと思いました。ウェーバーを読むのも大変だけど楽しそう2023/08/26