出版社内容情報
資本主義は十九世紀から今世紀にかけて独占段階に突入した.その特質はカルテルおよびトラストの形成による自由競争の廃止に,また,銀行資本と産業資本との関係の緊密化すなわち金融資本の成立にある.著者(一八七七―一九四一)の名を世界的にしたこの現代資本主義の分析は,マルクス経済理論の重要な展開である.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
91
この本は本当に久しぶりです。資本論とはまた異なった観点からの資本主義社会の分析です。貨幣や銀行の役割からの観点で説明しています。上巻では利子率や株式会社、証券取引所、商品取引所、銀行利得などについての説明があります。私は学生時代にはかなり読みこんで、それ以後は本もどこに行ったか分からない状態でした。岩波で再刊してくれたので読んでみました。2016/08/05
フクロウ
0
難しかった。貨幣、(商業・産業)銀行、取引所、市場、資本、手形、株式、平均利潤率……。産業資本と銀行資本の癒着のような話、もっといえばタイトルの金融資本が全てを支配する、というメカニズムはなんとなくはわかったが……。マルクスをきちんと押さえてから再度出直したい。2019/05/24