出版社内容情報
マルクスが自ら生涯の事業と呼んだ『資本論』.レーニンが“現世紀最大の政治経済学上の著作”と呼んだように,近代資本主義社会の経済的運動法則を徹底的に究明して,経済学を“革命”し,また人間社会に対する見解に完全な変革をもたらして,社会主義を科学的軌道に乗せた不朽の名著.ディーツ版による改訳.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
逆丸カツハ
27
とりあえず、読み通しはしたぜ!後半頭に何も入っていないけれども。だいたい重要そうなところがなんとなーくわかった。資本主義経済をめぐる壮大な物語であった。2024/06/27
中年サラリーマン
20
全巻読み終えました。読み終えて思ったことはこの本がなぜ革命の書たりえたのかが分からなかったということ。実際読んでみると内容は経済学書としてまともだなぁと感じました。ただ資本論の説く剰余の概念がプロテスタント側から見ると奉仕なのにたいし、革命遂行者としては搾取と感じたのかもしれない。となるとこの本はその時代を燃え上がらせる燃料だったのかもしれないなぁと思った。2014/03/24
非日常口
15
グローバルに浸食する資本の象徴とも言える、alwaysな飲料メーカーに赤く染められたと言われるサンタが帽子を脱げばマルクスの肖像っぽいじいさんになる気がする。資本論から赤さを削ると宇野のロジックに近くなる。とりあえず飛ばしながらではあるが一読できた。ピケティが、労働者の賃金が生産のところで決定する部分を落としたために、原著がアルチュセールのいた仏で発売したときは盛り上がりに欠けたそうだが、マルクスが失われた近経のネタがもっともらしく席巻する国では流行る。資本は大小様々なところで円環を成す。9は隠者だ。2014/12/24
翔
14
ようやっと9冊目も読了。(個人的には)まだ理解できる→難しくなった→まだ理解できるの順に内容がまとめられているので、中弛みしそうな構成だったがなんとか読み切れた(理解したとは言っていない)。資本主義経済が格差を生み、持つ者と持たざる者を生み出すことに間違いはないが、かといって社会主義や共産主義が必ず全員を平等に幸せにするというわけでもないので、シンプルにどの方針を選ぶかだけの問題な気がしている。おそらく生活水準や保有する富などが全員同じ世界というのはディストピアな状況だろう。2022/04/30
またの名
13
ニコニコ大百科内でマルクスの記事が異様に充実してキモいくらい溢れる情熱を感じさせるのと同じかそれ以上に、エンゲルスが遺稿から再現しようと苦心した続巻もついに最後。社会的諸関係という頻出ワードは、どんな非(反)資本主義的様式すらも包摂してしまうので資本主義システムがまるで中立透明で没歴史的な自然的関係かのように現れる外観を砕くための、概念。政権が反共反独裁の党是を自ら無効化してるお陰で全体主義最大の悪とされる文書改竄や歪曲に対する人々の免疫をつけ着実に共産主義独裁を準備してくれて、時代にノリつつある思想家。2020/02/07