出版社内容情報
詳しくは「富の形成と分配に関する省察」と題する.ルイ16世治下の大蔵大臣でありまた重農学派の最後の将でもあったチュルゴオ(1727‐1781)が,ふたりの中国留学生に経済学の大要を講じたもの.彼はここで一応ケネーの階級観に立脚しながらも,重農主義の体系をさらに発展させて,資本の形成と流通とを描き,スミスやリカードの先駆をなした.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
29
第100節まであるので、タイトルのみ列挙して自分なりにチュルゴオの考えと突き合わせながらその異同を吟味してもおもしろいと思う。提起の箇所はゴシ太体になっている。また、旧字体なので読みにくい。(ここでは新字体に改めた) 第3節 土地の生産物は永く且つ困難な加工を経てはじめて人間の欲望に応じ得るものである(23頁~)。 ☛ 若し彼れが自己の耕地と労働にのみ頼るとすれば、多大の時間を浪費し、苦痛を蒙り然かも、総ての点に於て設備も極めて悪く、土地耕作も最悪とならう(24頁)と結論づけている。 2019/11/02
うえ
9
「原始社会に近い時代に於ては、他人の土地を耕そうと欲するものを見出すのは殆ど不可能であった。何故ならば、全ての土地は未だ占有されておらず、従って、労働せんと欲するものは、新しい土地を開墾し…自分自身のために之を耕作することを選ぶからである」「取引の結果、各商品には、各々他の商品に応じて市場価値が発生する。これから、一切の商品は他の一切の商品一定量と等価であり、この一定量を代表する担保として考察されうる」「金、銀はものの性質上、一切の契約と法律から独立して、貨幣・普遍的貨幣となる」2016/02/24