出版社内容情報
本書はパリを訪れたペルシア人が夢多い故郷ととり交わした手紙という形で,ルイ14世時代の風俗と政治とを批判したモンテスキュー(1689‐1755)の小説であって,ハレムの夢と架空の法則とを織りまぜて当時の歪んだフランス社会を大胆に諷刺したもの.「千一夜物語」にも似た近東趣味のつきない面白さは,当時のベストセラーの名をほしいままにした.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんすけ
9
下巻では30年後に書かれる『法の精神』の萌芽が観える。それらを気づいた順に以下に掲げる。 ①文明の発達は人類にとって必ずしも有益ではない。 ②人口減少(少子化)は為政者が無策であることを表す。 ③離婚の認可は民族の存続にとって必要なものである。 新聞を内容が薄い読書に例えた記述があった。昔は通勤時に新聞を読んで貴重な時間を失うのを気にしない人を多く見かけたが、最近はスマホに変わってしまったようだ。 これもモンテスキューに言わせれば無益な行為であり、人類の退化現象なのであろう。 2019/11/04
takeakisky
1
進むにつれペルシアのこともよく知っているフランスの知識人の手としか思われない手紙が続く。面白いことには変わりがない。終いは、おそらく構想時から置いてあったのだろうが、それまでとの落差が大き過ぎ、若干興を削ぐ。2023/12/23