出版社内容情報
一九世紀末、熱輻射の問題によって理論と実験との齟齬が明らかとなり、ニュートン以来の物理学は重大な矛盾に逢着した。その隘路を打開し、新たな物理学─量子論─への端緒をひらいたのが、プランクによるエネルギー要素の仮定である。革命的な仮定の導入へ至る道筋を、自らの思考の流れに沿って丁寧に解説した主著。
内容説明
19世紀末、熱輻射の問題により理論と実験との齟齬が明らかとなり、ニュートン以来の物理学は重大な矛盾に逢着した。その隘路を打開し、新たな物理学―量子論―への端緒をひらいたのが、マックス・プランク(1858‐1947)によるエネルギー要素の仮定である。革命的な仮定の導入へ至る道筋を、自らの思考の流れに沿って丁寧に解説した主著。
目次
第1部 基礎的事実と定義(一般論;熱力学的平衡における輻射。キルヒホッフの法則。黒体輻射)
第2部 電気力学および熱力学からの結論(マクスウェルの輻射圧;シュテファン‐ボルツマンの輻射法則 ほか)
第3部 線形振動子による電磁波の放出と吸収(序論。線形振動子の振動方程式;周期的平面波の作用の下にある共鳴子 ほか)
第4部 エントロピーと確率(序論。基礎的な定理と定義;理想的単原子気体のエントロピー ほか)
第5部 非可逆的輻射過程(序論。輻射過程の直接的反転;任意の輻射場における1個の振動子。自然輻射の仮定 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
6
ボルツマンやヴィーンの熱放射の仮説を受けて電磁気学領域での熱放射を追求した著者は、短波長と超波長ではその仮説と実験結果が一致しないという従来のデータから、エネルギー量子という作用要素を導入し、モードごとに電磁的な分布を捉え直した。その際、この量子が整数倍の値のみをとる、という離散的性質が導出される。この画期的なエネルギー離散の仮説(プランク定数hの発見)においても古典力学内での理解に努める著者の姿勢は、本書にも見られる。一方、著者がそのスタートを切った量子力学の最新知識は、版を重ねるごとに更新されている。2022/02/06
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