岩波文庫
大陸と海洋の起源〈下〉―大陸移動説

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  • サイズ 文庫判/ページ数 249,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003390726
  • NDC分類 454.2
  • Cコード C0144

出版社内容情報

はじめ地球上には一つの大陸しかなかった.その後この大陸がしだいに分裂し,移動して,現在の各大陸がつくられた.――ドイツの地球物理学者ヴェーゲナーが,今世紀初め本書で提唱した大陸移動説は,それまでの地球観をくつがえす,まさに地球科学上の一つの革命であった.科学史上の記念碑的古典を平明な訳文でおくる.

内容説明

大西洋両岸の海岸線の凹凸が驚くほどよく一致するのは、もと1つに繋がっていた大陸が分裂して横に動いたためではないのか。この一見突飛とも思える着想を世界地図上に得た時から、地球生成の歴史をさぐるヴェーゲナーの探究が始まった。地球物理学・古生物学・古気候学・地質学など、広い分野のおびただしい資料を駆使して成った綜合科学の書。

目次

第7章 古気候学的議論(気候帯とその証拠;極移動の及ぼす効果 ほか)
第8章 大陸移動と極移動についての基礎的問題(大陸移動の記述上の基準系;極移動 ほか)
第9章 大陸を動かす力(大陸を極から遠ざける力;大陸を西へ動かす力 ほか)
第10章 シアル層についての補足的覚え書(シアル層;海進と海退 ほか)
第11章 深海底についての補足的覚え書(深海底;大西洋底 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

20
第7章第3節「極移動の及ぼす効果」は興味深い。第8章第2節をも参照。 ヨーロッパは熱帯性から温帯性へ、スピッツベルゲンは亜熱帯性から極地性へ(19頁)。 したがって、これまでの気候区分で収まるとは思えない。 日本列島も四季がいつまでもあるとは思えない。 気候変動というときにも、「極移動」の概念、発想というのは、 大きく効いてくる発想であろう。 グローバル人材についても、市民レヴェルで養成していかねばならぬ。 2014/03/14

赤い熊熊

10
巻末の解説がとても面白いのです。ウェゲナーさんの感違いを歯に絹着せず指摘されています。あらかじめ解説読んでから本編読むのが吉かもしれません。下巻本編では大陸がどうして動くか、そのメカニズムをなんとかひねり出そうという努力が展開されます。ウェゲナーの考える、自転に取り残されて西に移動して見える説や重心と浮力中心のズレで赤道方向の力が生じる説は、今の目で見るとかなり無理があり、日本列島の成因についても然りです。それでも、ウェゲナーさんは地球物理学史におけるのスーパースターであることに変わりありません。2015/10/15

misui

5
ヴェーゲナーの大陸移動説にマントル対流説が合体し、さらに海洋底拡大説が現れて1960年代の後半にプレートテクトニクス理論として完成した。2017/08/21

ほーりー

4
上巻から続くデータからの帰納的な方法を主とした記述から、大陸を動かす力の仮説を構築する段階に入っていく。重力と遠心力と粘性力が作用する地球という系のダイナミズムの中での因果関係を模索。スケールが大きい。日本列島のフォッサマグナの記述に興味を持った。あくまで大雑把に読みすすめた。2011/12/17

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