岩波文庫
天体の回転について

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  • サイズ 文庫判/ページ数 153p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003390511
  • NDC分類 440.2
  • Cコード C0144

出版社内容情報

アリストテレス以来の地球中心の宇宙観に対して,太陽中心のいわゆる地動説を初めて主張して,世間からも教会からも烈しい攻撃を受けたポーランドの天文学者コペルニクス(一四七三―一五四三)の主著.単に天文学の革命であるにとどまらず,中世的な世界観全体に対する革命の書であり,近代科学の出発点ともいわれる.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kannkyo

13
30代後半ーコペルニクスは、10年間のイタリア遍歴と天文学研究の仕事を終え、故郷へと戻った。故郷で聖職者となって叔父の世話をしながら、地動説の着想を得る。しかし、本書「天体の回転について」が公表されたのは、それから9年の4倍もの時間が流れた没年のことであった。彼は世界からの「軽蔑の恐れ」を感じながらも最終的に「思想は愚人の判断に従うべきでない」と断じ、今際の際に出版を決意した。これは一人の天文学者の偉大なる生涯の記録である。2019/03/11

壱萬弐仟縁

9
1543年初出。旧字体。本文→訳注→附録→解説。地球の位置づけ。その動きを解明したことは宇宙の中の日本の認識に大きく影響した。ダンテ『神曲』の図式をも想起。「知識の最美にして最高なるものに関する研究」(21頁)。貴重。第二圖はSol(太陽)が中心で、外縁は不動の恒星球から成る同心円(47頁)。第三圖は地軸の傾きFDH(北極-中心-南極)をも言い当てている(51頁)。日本の四季の説明にもなる。高校地学は本書を授業で扱うといいと思う。解説でアリスタルコスの太陽中心説がある(117頁~)。紀元前で正論の勇気が。2013/11/02

YS-56

2
「今の常識」が「未来」にどう伝わるのか。「未来」からはどう受け止めるべきなのか。こういった偉大な書物の中に答えはあるのでしょうね。2019/05/01

みみっちい二十九

2
紀元前より積み重ねられた観測の記録、学者たちの思考が無ければたどり着く事が無かったであろう真理。初めに地動説が唱えられたのは紀元前、それからコペルニクスまで1500年間が流れる。ガリレオに受け継がれ、教会に異端とされた。そして2008年に教会は地動説を認める。人類の叡知、歴史を学ぶことの尊さを感じた。2013/07/24

ひでっち

2
出版に当たりローマ法王庁を気にしたり、内容を「仮説」という序文が付いていたり、コペルニクスがこの本を著した時代を感じさせます。内容的には今の天文学の入門書(というよりは小学校の教科書?)に書いてあることかも知れませんが、当時はこの内容を発表するだけでも大変だったんですね。コペルニクスが生まれた頃は、日本では応仁の乱の真っ最中だったはずです。この頃の日本人は、どのような宇宙観を持っていたのでしょう・・。2011/01/26

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