岩波文庫
神を観ることについて 他二篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003382318
  • NDC分類 132.4
  • Cコード C0114

出版社内容情報

今年,生誕600年を迎えるクザーヌス(1401-1464)は,「知ある無知」「反対対立の合致」を唱えたことで名高い.終生,思索とともに実践活動にも力をそそいだ極めて多面的な思想家で,西田幾多郎もその影響を受けているという.

内容説明

ドイツの思想家ニコラウス・クザーヌス(1401‐1464)は、「知ある無知」「反対対立の合致」を唱えたことで名高い。神学者であり、枢機卿をもつとめた彼は、終生思索とともに実践活動にも力をそそいだ多面的な思想家であり、その思想は西田幾多郎にも影響を与えたという。本書には、彼の神秘的思弁の頂点をなす表題作および本邦初訳の2篇を収録。

目次

神を観ることについて
オリヴェト山修道院での説教
ニコラウスへの書簡

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マウリツィウス

18
ニコラウス・クサヌスの導入論とは新約/旧約ではないカトリック世界構築に片鱗を見せるも批判的態度により《地球儀定義》を成遂げた点は大きい。古代教会の危惧した思想的異教を鎮圧する反証弁証法成立の点で評価可能、この無限関数導入方式が後期異端でもあるヨアヒム誤認主義千年王国を大胆批判した。黙示観の「正」領域を提示することで異端網を突破、この最大限発揮により齎された神学論はグノーシス以前の系譜を遡る意味で改革思想を先駆、それにより異教派生を統御しキリスト教管理内にギリシャ思想を分類・グノーシスを制圧/封殺した方法。2013/06/26

いとう・しんご singoito2

11
「学識ある無知」を読み終わって、さぁて・・・と思っていたら近所の図書館に置いてあるのを発見、走って借りてきました。「学識」は普通の論文形式だけど「神を観ること」は一人称の祈りの形式で、論旨が見えにくいし、「縮減」などの彼独自の概念がポンと飛び出したりして、正直、読みづらい。「学識」の方が哲学者、神学者として側面を強調しているなら、本書は信仰者、また、教会全体の指導者としての側面が強く表れている印象でした。2022/11/06

adhvanya

9
キリスト教が単純で幼稚な父権的な超越者に対する信仰だと誤解している方にこそ読んでいただきたい脅威の書。「絶対者」とは「対を絶する」から絶対者なのだ。ゆえに、神と「対峙」する事は絶対に不可能である。では、どうやって我々は神との接点を見いだすのか? カール・バルトを遡る事数百年、すでにこの高みを見通していた視野があった事に驚く。これが日本語で読めることを八巻先生に感謝したい。2010/08/07

ラウリスタ~

7
西洋思想に地味に大きな影響を与えた聖職者であり学者のクザーヌスなる人の書。いったい全体こんな本を読む人がどこにいるんだろうか、と思っていたら意外と読んでいる。昔は学問=神学だったから神学論争とは論理学や哲学のようなものだったんだろう。当然、キリストについてといった話もあるが、無限の不可知性についてなんかはけっこう革新的な議論なんじゃないかとも思う。ポーも似たようなことを言っていたし。中世末期もなかなかのもの。2011/05/17

Rachel

4
宇宙論好きの感想として。量子力学の観測問題や人間原理にも通ずるものを感じる。これぞ哲学。私のバイブルになりそう。「創造主にこの宇宙すなわち美しい作品を作り上げるようにしむけることのできるのは、創造主自身の賛美と栄光に他ならない。(中略)いかなる王も賛美と栄光なしには〔自分が〕王であることが知られないのであるから、(中略)自ら知られることを望んだこの方は、認識する能力をもった知性的本性を創造したのである。」−ニコラウスへの書簡2017/05/21

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