岩波文庫<br> ある巡礼者の物語

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岩波文庫
ある巡礼者の物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 244p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003382028
  • NDC分類 198.22
  • Cコード C0116

出版社内容情報

スペインの名門貴族の子として生まれたイグナチオ(1491-1556)は,騎士として数々の武勲を立てるが戦闘の中で重傷を負い,療養中に読んだ『キリスト伝』に目を開かれ,巡礼者として旅に出る.イエズス会の創始者の自伝.

内容説明

スペイン・バスク地方の貴族の子として生れて武術の修行に励んだ勇敢な青年騎士イグナチオ(1491‐1556)は、その後、数奇な運命をたどってヨーロッパの歴史を大きく変革するほどの人物にまで成長する。本書は、彼が晩年に口述し、カマラ神父が筆記した自伝。抑制の利いた語り口で、その成長過程が明晰に描かれている。

目次

ロヨラでの劇的な回心体験
「世俗の騎士」から「キリストの騎士」への変貌
マンレサでの浄化から神秘体験へ
エルサレム巡礼―神への絶対的信頼を秘めて
エルサレムからの苦難の帰り路
バルセローナとアルカラで学び、投獄される
サラマンカでの受難―取り調べ、投獄、宗教裁判
花の都パリでの隠れた活動
故郷スペインに帰る
水の都ヴェネチアでの地道な活動〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きゃんたか

16
手の届かぬ貴婦人に忠誠を尽くし、死をも辞せぬ度胸をもって武勲を追い求めた若き日々。突然の負傷で醜い姿と成り果てたのも束の間、恩寵の病室で読み耽った聖人伝。かつて夢見た誉れも婦人の憧れも、神の永遠の喜びには敵わなかった。騎士の甲冑を襤褸布にすげ替え、男はエルサレム巡礼へと旅立つ。意気投合した故郷の仲間は彼から離れ、宗教改革の動揺の中で幾度ない嫌疑と投獄に見舞われるも、神が彼を手放すことはなかった。絶え間ない夢と語りの神秘を通して、彼の教えは人から人へと行き巡り、ついに御心はイエズス会へと結晶された。2017/09/06

ユーディット

8
冒頭で訳者により、非常に読み難いと勧告されるも正反対に大変読み易かった。現代の教育制度の基礎を築いたとも言える程イエズス会の果たした役割は大きいし、西洋史や宗教とほぼ無縁の日本でもザビエルの名は知られている。その創立者イグナチオ・デ・ロヨラの回想。宗教改革の真っ只中にも関わらず、そんな事はどこ吹く風でただひたすらに自らの信仰を貫いた彼の生き様が直に伝わる。世界史における、地域差の大きさを痛感させられるもので、同時代でも認識や宗教観、思想、経済など甚だしく異なる。西洋史を勉強する人には必読書。2019/03/23

うえ

7
ここの所年代順に読んでいる思想家の中でも一番強烈である。類似した人物がいない。裸足でバルセロナ、パリ、イスラエルと歩き回り常に神秘体験をし、あちこちで投獄される●ロヨラは「この問題についてこれ以上話す必要がないと言った。しかし、修道士は更に迫ってきて「世界をだましたエラスムスやその他の人々の誤謬が広まっている現在、あなたは自分が言ったことをどうして説明しようとしないのですか」と言った」通常の説明ではできない。フロマトカや神学者のように説明すると無意味になる。パフォーマティヴとは説明すると無価値になる2015/11/01

ラウリスタ~

6
イエズス会の創設者の自伝。このような人生を送ろうとは思わないが、このような人生を送らせた原動力について考えさせられる。聖人は生まれたときから聖人なのではなく、自らの努力によって(そして神の思し召しによって)聖人へと成る。宗教環境のなくなった現在の日本人にこそ必要な本かも。2010/07/13

すい🕊️

3
日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルが所属したイエズス会創始者の自叙伝。ルターによる宗教改革が起きたのとほぼ同時期の中世の空気のなか、神を求めて深く深く内省するイグナチオの姿が残されています。それにしてもこういう本を数百円で読めるってすごいことだな…2019/10/30

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