出版社内容情報
一五三四年,ロヨラらとイエズス会を設立したサビエル(一五○六―五二)は,その中心となって布教活動を行い,各地から布教の様子を書きおくった.イエズス会設立直後の一五三五年から一五五二年の絶筆まで(一五四九年日本滞在中の書簡を含む)イエズス会の宣教師達に多大な影響を与えた書簡四六通を収録.
感想・レビュー
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isao_key
6
1549年8月15日、日本にキリスト教を布教するために日本人のアンヘロ(ヤジロウ)を伴って鹿児島に上陸。本書上巻では1535年3月に次兄に宛てた手紙から、1549年6月マラッカから3人の神父宛の手紙まで25編が収録されている。主にインドでの布教の活動や所感が書かれている。キリスト教を未開の地に広めることが自らの使命としていたザビエルにとって、他宗教は唾棄すべき対象であった。バラモン僧について、<彼等は世界中で最も狡猾な悪漢である。どういう風に嘘をつくかを常に考えている。>とかなり手厳しく評価を下している。2012/12/12
feodor
0
上巻はザビエルのパリ時代から以下度滞在中、マラッカを経由して日本へ旅立つ決意を示したあたりまで。うさんくさいロヨラが立派な人扱いされているあたりからで、インドからモルッカ諸島あたりまで熱心な不況を行い、ポルトガル施政者の政策や原住民の思惑の中、勢力を拡大していく。ソコトラとか正論とか、政治的に考えて布教を断念させられる面もあり、清濁両面があるのだな、とも思う。またゴアの学院長として赴任してきたアントニオ・ゴメスとの葛藤など、相手はどう思っていたのか気になる。2016/08/19