出版社内容情報
イスラム教は,仏教,キリスト教と共に世界三大宗教の一つになっている.『コーラン』はイスラム教の聖典.その中にはイスラム教を興したアラビア人マホメットの行動と,彼を通してえた神の天啓とが鮮かに写し出されている.当時のアラビア民話も織りこまれており,アラビア人の本質を理解する上で,本書は大いに役立つ.口語訳.
内容説明
「コーラン」とは元来「読誦されるもの」の意とされる。朗々と声を上げて誦されるコーランの章句は、詩的韻律と音楽的な美をもって快く耳に響く。イスラーム世界に生きる人々の信仰生活のみならず、日々の実生活をも律する聖典の名訳。
目次
フード―メッカ啓示、全一二三節
ユースフ(ヨセフ)―メッカ啓示、全一一一節
雷鳴―メッカ啓示、全四三節
イブラーヒーム(アブラハム)―メッカ啓示、全五二節
アル・ヒジュル―メッカ啓示、全九九節
蜜蜂―メッカ啓示、全一二八節
夜の旅―メッカ啓示、全一一一節
洞窟―メッカ啓示、全一一〇節
マルヤム(聖母マリア)―メッカ啓示、全九八節
ター・ハー―メッカ啓示、全一三五節〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
46
章立てが短くなり、各章ごとがマイルストーンとなるため、気のせいか読み易くなりました。文章も緩くなっているような気がします。物語的要素もあり、特に旧約聖書の固有名が馴染み深い読者には対照させながら読める箇所がいくつかありました。第12章は創世記の第37章から第50章まで、章のタイトルにある通りユースフ(ヨセフ)の話。第28章は出エジプト記の第2章に出てくる、ムーサ―(モーセ)の水場での出会いの場面は恐らく有名な場面です。最初のコーランの厳しいテンションとは明らかに異なる物語性を感じます。2022/01/03
funuu
13
アッラーフ・アクバル(アラビア語:الله أكبر)とは、「アッラーフは偉大なり」を意味するイスラム教の祈りの言葉である。 この祈りを唱えることをタクビール(アラビア語:تَكْبِير)という。アラビアでは産まれた子供が女の子なら生き埋めにする等の偶像数杯を基本とする国家体制があった。また、一人殺されたら相手の部族の100人を殺す掟があたった。2016/09/03
Aya Murakami
12
本書の最後のほうでムハンマドさんがとある女性に一目ぼれしたという感じのことが紹介されていました。思わず吹き出しそうになりました…。ムハンマドさんも1人の人間なのですね。 2017/10/24
さきん
12
「コーラン」とは元来「読誦されるもの」の意とされる。朗々と声を上げて誦されるコーランの章句は、詩的韻律と音楽的な美をもって快く耳に響く。イスラーム世界に生きる人々の信仰生活のみならず、日々の実生活をも律する聖典の名訳。2015/08/12
RIN
11
上巻の様にアッラーの愚痴(ああ、怒られる)を聴かされるのは嫌だなあと思っていたら、中巻はオリエンタリズム文学の趣。旧約聖書に記されたノア・ロト・モーセの逸話をコーラン的解釈で紡ぎあげる。羊が駱駝に代わり「夜のとばりを昼にかぶせ給うのも」なんて表現に千夜一夜の夢を見る。キリスト誕生の話はルカの福音書がベースだろうか。『部族同盟』は本書の中で最も微妙な気持ちになった。私は戦いよりも『雷鳴』や『光り』の美しさに祈りたい。ただ、太陽崇拝を否定されるのは『大神』で天照大御神を好きになった日本人の私には少し悲しい。2022/05/09