内容説明
「求めよ、然らば与へられん」「狭き門より入れ」「太初に言あり」…。聖典としての品格、簡潔にしてリズムのある文体で、日本のキリスト教界のみならず、思想、文学などの諸分野にも大きな影響を与えた、日本の聖書翻訳史上、最高の名訳。
目次
マタイ伝福音書
マルコ伝福音書
ルカ伝福音書
ヨハネ伝福音書
使徒行伝
ロマ書
コリント前書
コリント後書
ガラテヤ書
エペソ書〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
18
岩波文庫に文語訳の新約と詩編が来た。が、新字体旧仮名遣い(変体仮名は使わない)という仕様と今どきの写植(DTP)文字なので微妙に違和感がある(逆に今どきの人には読みやすいんだろうけれど、当用漢字常用漢字で代替文字なんかになった所は正直意味すら違って来るので、この編集方針はどうなんだろう?という気がする。内容は大正改訳なので、今手に入れられる本文との違いはさほどない(訳語の差異なんかは別訳がついているのは良いと思う)。(続く2014/04/07
やま
10
はぁぁ。やっと読み終えた。長かった◇ほぼ同じ話を繰り返し繰り返しいろんな人が語り継いでいる。ここまで同じ話が出てきたら、それが正しいものとされるのか。宗教革命まではこれらの内容は聖職者だけのものだったのだろうから、宗教革命によって聖書が広く理解されるようになり、聖書が正しい、絶対という方向になったのだろう。◇詩編はよく聞くし、いろんな本などで「詩編より」という文言があるし、賛美歌でも聞いたことがある。でもこちらも実際に読むと、ほぼ神への賛美だ。150ある詩編を読んでいくうちに洗脳されていくのだろうと思う。2023/03/17
大ふへん者
8
かなり読みやすい文語訳。文庫サイズでしかも低価格で手に入りありがたい。2014/02/01
シンドバッド
7
詩篇を含めて、読み通したの初めて。 新訳聖書は、出張先のホテルの部屋で拾い読みでした。 格調の高い訳が、魅力。2014/07/12
ミコヤン・グレビッチ
6
何度か通読に挑戦しながら、いつも途中で放り投げていた「聖書」。だが、文語訳、縦書きという体裁の本書は、なぜかすんなりと読み通せた。全体をひとつの作品として読むならば、同じ話のバージョン違いである福音書が四編続いたあと、使徒行伝、書簡集があって、最後はまるで毛色の異なるヨハネの黙示録で締めくくるという構成がとても興味深い。心に残ったのは、ヨハネの福音書の最終盤に、復活後のイエスがふらりと使徒たちを訪れて、一緒に食事をしていく場面。書簡集は読み通すのがちょっとしんどかった。あれは基本的には「お説教」だものね。2023/06/17