出版社内容情報
「革命暦第4年すなわち1792年4月20日及び21日にパリのデパルトマン選出代議士コンドルセ(1743‐1794)より公教育委員会の名において国民議会に提出された公教育一般組織に関する報告および法案」という長い標題をもつ書の,報告に関する部分の翻訳である.この教育計画ほど,理想主義に燃えた輝かしいものが果してあるだろうか.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
17
旧字体。除籍本。 貧困な市民に対して政府が言うべきこおてゃ、 容易に知識を確保し、発展させる手段が 保証されること。 教育は普遍的でなければならぬ。 市民に普及され、平等に授与されねばならぬ (14頁)。 教育は輿論を予想し、矯正し、 形成しなければならぬが、 追従し、服従してはならない (62頁)。 自由な学会というものは、学者と 科学の愛好者とを同時に包摂しなければ 存在し得ない(89頁)。 2014/11/06
梅子
0
絶対王政期の国家権力と宗教権威に支配された教育を一から作り直す革命的教育計画。一部時代にそぐわない部分があるが、基本的には今の教育現場に適用されるような内容で、フランス革命の影響のデカさ、それまでの社会との断絶を痛感する。幾つか未来予言の部分があり、科学が拡大発展した暁には分野・学会は一つになるとか、経済発展が人を単純労働に閉じ込め愚鈍にするとか言うが、現在、科学分野は死ぬほど細分化・専門化してるし、人々はむしろ感情労働とマルチタスクに支配されている。しかし教育計画のOSは今も変わらずコンドルセのままか。2022/02/13