岩波文庫<br> 義務も制裁もなき道徳

岩波文庫
義務も制裁もなき道徳

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  • サイズ 文庫判/ページ数 290p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003368213
  • NDC分類 135.4
  • Cコード C0112

出版社内容情報

フランスの天才的思想家ギュイヨー(1854‐1888)は,本書において,従来の形而上学的道徳を批判し,事実に基づく科学的合理的道徳を樹立しようとした.彼がここに描く道徳は,外部的強制的な義務も賞罰の制裁も必要としない自主的道徳,すなわち「自由と連帯」の道徳であり,モラリスト,生の詩人哲学者としての著者の本領をもっともよく伝えるもの.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

4
生の哲学者に分類される人だとか。「爾来の宗教はすべて眼と耳によって我々に信じさせようとした。そして肉も骨も具えた神々を我々に示した。聖トマスのような人々は神に指を触れ、それによって得心した。現在我々はもはやかような仕方では納得することはできない。…人はあり得ぬ事物について納得などしない。…奇蹟などもはや何人をも納得せしめない。そこで…行動こそはかかる手段なのである。諸君はその行うところに応じて信ずる。ただ、行動は外面的実践や粗野な儀礼のうちに存してはならぬ。」2025/08/12

まつゆう

1
おそらくギュイヨーは倫理学としては周辺も周辺の、単なる素人として忘れ去られた人であろう。別にその点は措くとして、しかし読んでみると話は明快でかえって新鮮味がある。「先主的」なる道徳を拒否して、合理的科学的なる道徳を立ち上げんとする先には「もはや義務も制裁もない」のである。逆に言えば義務や制裁を課さんとする倫理道徳には何かしら「先主的」なるものが含まれていると見るべきである。そのことを以て悪いとは言わないが、それとは別様の倫理の可能性を思い描く必要もあることをこの本が教えてくれるのである。2015/05/19

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