出版社内容情報
主著「プレルーディエン」下巻より3篇を抜粋.それぞれ,ヴィンデルバントの科学方法論,倫理学,宗教哲学を代表する著作で,その考え方の特質――問題の所在を明示し,強いて体系の整合を求めるよりは,むしろ事実を正視してその真相に迫る――を示す.読者に「哲学する」ことを教え,多くの示唆を与える名篇.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
8
大正デモクラットの多くが唱えた「文化国家」論は新カント派の哲学と関係している。今日の「文化」という語がKulturの訳語だというのはこの意味。だが今日の用法とちと異なって、文化は「自然」と対立する道徳に結びつけられている。それは人間が自然の必然性から自由となり自らの精神の内奥にある超越論的規範に従うことによって創造される。天啓を受けた天才が普遍的価値を行為なり思想なりによって外化していくのが歴史。であるから、歴史学は自然科学とは違って法則定立的ではなく個性記述的になる。ぼくらの感情が歴史をそう欲するから。2022/02/06
Ex libris 毒餃子
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新カント派難しい2016/03/26