出版社内容情報
「全知識学の基礎」はフィヒテ(1762‐1814)のもっとも代表的な体系的著作.彼の知識学はいっさいの学問の基礎学として構想されたもので,本書は無限に能動的な自我から出発して,理論的知識と実践の学問との基礎を明らかにしたものである.ほかに本書を理解する準備となる2篇を収めた.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
有沢翔治@文芸同人誌配布中
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カントを批判した哲学者、フィヒテ。その影響は後のフィヒテと同年代のヘーゲルにも見てとれる。ヘーゲルの『精神現象学』はいかに自我が他者、ひいては国家に向かうかを記述しているが、フィヒテも似たような関心事を抱いているように思う。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51489647.html2017/08/12
井蛙
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「我は我である」においては「我は存在する」という事実と「我は我を定立する」という行為が同一の事態である。これが絶対的自我の事行であり、知識学の第一根本命題である。この自我に対して非我が反定立される(第二命題)とともに、両命題が自我の内における可分性の概念によって調停される(第三命題)。ここで可分的自我は可分的非我と対等なものであり、けして絶対的自我ではないということ、これは非常に重要なことであると思われる。2017/08/11
U2
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消化不良。試験で言うなら、カントやヘーゲルが解答例を見てもその理屈が判然としないような難問であるとすれば、コイツの場合は問題文の意味や作問の意図自体が不明というタイプの難問だと言えようか?知識学の知識を身につけたうえで、要再読。2022/02/17