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岩波文庫
演劇について―ダランベールへの手紙

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  • サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003362365
  • NDC分類 770.4
  • Cコード C0198

出版社内容情報

近代都市文化の精華たる演劇.これを上演する劇場をこの町にも設置すべきだ.「百科全書」の「ジュネーヴ」の項でダランベールはこう提言する.ジュネーヴ市民ルソーはただちに応酬.貧富の差に規定され,閉された密室の芸術より,自由に民衆が参加できる野外での祭を,と.一気に書き上げられたルソーの芸術観・社会観の顕著な作品.

内容説明

近代都市文化の精華たる演劇。なのにジュネーヴでは演劇は禁じられている。『百科全書』の「ジュネーヴ」の項で、ダランベールはその不満を書き綴る。しかしルソーは、貧富の差に規定され、閉ざされた密室の芸術より、自由に民衆が参加できる野外での祭を、と応じ、ここにその芸術観・社会観を展開する。

目次

ダランベール氏へ(ジュネーヴの牧師たちの信条について;検討すべき問題。野蛮人の演劇観;習俗と演劇;演劇は人の心を浄化するという説について;フランスの劇について;悲劇について;喜劇、とくにモリエールと「人間ぎらい」について;恋愛を主題とする劇;演劇が小さな町にもたらす弊害。「山の人たち」のこと;俳優がもちこむ悪習を防止することの困難。習俗と法;俳優について;女優について;ジュネーヴが常設の劇場を維持するのは不可能であること;演劇がジュネーヴの習俗、経済、政治に与える影響;現在ある劇作品はジュネーヴ市民にふさわしくないこと。総括;演劇に代わるべき、市民にふさわしい催しについて)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

lily

122
小さな町に劇場は要らない。プラトンの『国家』を念頭に、演劇論を公共性、俳優業の善悪、女性論、はたまた恋愛論まで他を圧倒する熱量で弁論する。ルソーのこの熱量が好きでたまらないんだよね。快い幸福感に浸る為には金銭や束縛に依らず、愛の力で結束して自由で気高い楽しみでなければならない。2019/08/05

壱萬参仟縁

40
訳者によると、「社会契約論」と「エミール」の出版に先だつこと4年、すでに自己の思想を確立していたルソーが、演劇とジュネーヴという現実の問題を取り上げて、民衆の立場から、貴族趣味の演劇を批判し、健全な市民生活はどうあるべきかを具体的に説いている。ここに興味がある(10頁)。演劇はいけないとしても、市民には、市民にふさわしい、楽しみとなることがなければならない。2017/02/11

金城 雅大(きんじょう まさひろ)

20
色々とツッコミを入れたくなる本という印象。 モリエールの『人間ぎらい』を読んだら当該章をもっかい読も。2019/08/31

有沢翔治@文芸同人誌配布中

2
 ルソーが「ダランベールへの手紙」という形で、演劇についての想いを語っています。きっかけは、ディドロらが編纂した百科全書の「ジュネーヴ」の項目を見たことによるものでした。 https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51373737.html2012/12/03

T. Tokunaga

1
恥ずかしながら、ルソー初読であったが、まぁこの人、臆面もなくアメリカのティーンエージャーみたいなこと言うなぁ。こういう倫理化志向の人は多いが、これは人間の教化であり、演劇の教化的機能に気づいたのなら、ルソーも、いやアメリカのティーンエージャーも劇作すればいいのに。2023/08/09

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