出版社内容情報
『人間不平等起原論』の著者として,また『エミール』の作者として,人間と社会の関係を論じ,近代人の祖とうたわれたルソーが,自ら「破天荒の試み」と自負しつつ描く赤裸々な告白録.その痛烈な自己主張の情熱と感性の流露は,あらゆる毀誉褒貶を越えて,本書を近代小説の起原と言われるまでに秀れた文学作品たらしめた.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
49
田中芳樹の『銀河英雄伝説』で、自由惑星同盟に属するビュコック提督が最期にこんなことをいう場面がある。「皇帝ラインハルト陛下、(中略)なぜなら、えらそうに言わせてもらえば、民主主義とは対等の友人をつくる思想であって、主従をつくる思想ではないからだ。わしはよい友人がほしいし、誰かにとってよい友人でありたいと思う。だが、よい主君もよい臣下ももちたいとは思わない。だからこそ、あなたとおなじ旗をあおぐことはできなかったのだ」。この精神こそルソーが追い求め、体現しつづけようとして得られなかったものといって過言はない。2020/01/14
ころこ
31
巻末に訳者の解説があり、そこで、日本における『告白』の受け入れが自由民権運動の衰退後であったため、島崎藤村が「弱い人間の一生の記録」を見出したように、当初ルソーが間違った理解をされたという記述があります。ルソーの文学面は私小説に、政治面はまた別の文脈で受け入れられたことで、ルソーの間違った理解が文学と政治の分裂を招き、真の近代化の疎外の原因であることが示唆されています。他方、なぜ日本に私小説があるのかの答えにもなっています。感情と政治の問題は、実は今われわれが直面している古くて新しい問題だといえます。2018/08/18
きつね
18
もうやめて!ルソーのHPはゼロよ! とばかり、本を閉じたくなる下巻。 畢生の書『エミール』が難航の末出版されると、すぐに別の著者名で盗作本が出版される。ああ!陰謀によって草稿は盗まれ、出版は遅らされていたのだ!……と思いきや、訳注によればこれはルソーの妄想。ほかにも、匿名のルソー批判に対して名指しでボロクソに反論してるけど、訳注によれば人違い。ヒュームさんにいたっては完全な濡れ衣。(´Д` )ア、アノー…… というわけで本文、原注(ルソーが後からつけた注)、訳注の温度差が極まってくる。ずっとほのめかされて2012/08/06
ソングライン
16
デピネ夫人の招きでモンモランシーに暮らし執筆に励むルソー、その後夫人との仲たがいから友人たちは迫害者に変わっていきます。自身の思想の集大成である教育論「エミール」、国家論「社会契約論」を出版しますが、エミールに書かれた宗教論が問題となりフランス国家から追われる身となってしまいます。その後亡命先のプロシアでも庶民からも迫害を受けることとなるルソー。他者のルソーの才能への嫉妬と自身への過信、捨てられないプライド、孤独へと向かう告白は何とも切ないのです。エミール読まざるをえません。2023/01/28
1.3manen
15
痛風であることに気づいたリュクサンブール夫人(100頁)。女性でも罹患するんだな。「執念ぶかい人間は、かつてうけた侮辱をいつまでも忘れず、復讐欲でわが身を苦しめるものだが、わたしがそうした気分を味わったことがないのは、この忘れっぽさのおかげ」(151頁)。僕はここで指摘されているようなネチネチした奴かもしれないな。ま、病気になるだけだから改めた方がいいのだが。下手するとテレホン人生相談行きだからな(苦笑)。2013/10/16
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