岩波文庫
告白 〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 408p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003362280
  • NDC分類 135.3
  • Cコード C0198

出版社内容情報

『人間不平等起原論』の著者として,また『エミール』の作者として,人間と社会の関係を論じ,近代人の祖とうたわれたルソーが,自ら「破天荒の試み」と自負しつつ描く赤裸々な告白録.その痛烈な自己主張の情熱と感性の流露は,あらゆる毀誉褒貶を越えて,本書を近代小説の起原と言われるまでに秀れた文学作品たらしめた.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

52
ゲーテの『詩と真実』に始まりアウグステイヌスの『告白』を読んで、やっともう一つの3大“告白”であるところのジャン=ジャック・ルソーの『告白』(2部12巻)へと至った。本書(上)は、1部:1巻~6巻。ジュネーヴで時計職人の息子として生まれたルソーの内気な幼少期の回想に始まり、作家になる前の幸福な半生として少年時代、青年時代が率直に記されていて、ときには卑しい行為やいかがわしい性的異常な行動をもはばかることなく描かれている。ユーモアあり悔恨ありでルソーの人となりを窺い知ることができ、次が気になる。2019/06/23

イプシロン

46
告白文学から得られるものは何かと問うたとき、二つの答えがあるのだろう。第一に、著者の生育環境から出来上がった性格や癖質や著者の生きた時代を知れること。第二に、著作を読むことで読者が自身の過去を追憶して、自分を見つめなおし、自己の性格や癖質を知る機縁となること。前者は単なる知識の吸収になりかねないが、後者には自己啓蒙という得難い収穫があるだろう。――この巻には美しい人間が描かれている。私の人生はこうであったと書くのは、そう難くないだろう。だが本作はそれにとどまらず、ルソーの思う理想の人間像が描きだされつつ、2020/01/02

ころこ

33
2018年7月の一括重版で待望の復刊を果たしました。『スタヴローギンの告白』でも本書に言及されているように、現在、本書とアウグスティヌス『告白』が「告白」のプロトタイプになっています。神の前では偽りなく真実を語っているという前提で、屈折して衝動に駆られた過去の過ちを晒すというのが告白です。今、Amazonで「告白」を検索すると、清原和博『告白』がトップにきました。まさにルソーと清原は過去の秘密を偽りなく打ち明けています。ルソーの過去とは何なのでしょうか。本書では、ゲイの坊さんに迫られたり、地下道で露出した2018/08/12

かふ

26
ルソーの『告白』は近代小説の起源と言われるのはそれまで誰も自らの罪(恥)を綴ることがなかったからだ。ルソーは自らの罪(悪行)を記して、そこからまっとうな生き方を探究していく哲学者になっていく。それはある夫人との関係が大きかった。ルソーの思想に影響を与えた夫人との日々の生活と別れ。そして大病のときも献身的な看病と快楽で他の女性との関係した後でも受け入れてくれた夫人の大きさ(いくぶんルソーには都合のいい話なのだが)。自然主義哲学の祖ルソーの『告白』。2022/06/20

ソングライン

23
18世紀の哲学者ルソー、60歳を越えた彼がこれまで自身の胸に秘めてきた事柄を含め彼の人生を振り返る告白です。上巻は父と別れたジュネーブでの少年時代から庇護者となったヴァランス夫人との愛人関係から、その別れまでが描かれます。隠していた盗癖、女性に対する奥手、長続きしない仕事、まだ何ものでもない青年期の悩みが見事に描かれています。2023/01/01

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