出版社内容情報
著者はローマ皇帝で哲人.蕃族の侵入や叛乱の平定のために東奔西走したが,僅かにえた孤独の時間に自らを省み,日々の行動を点検し,ストアの教えによって新なる力をえた.本書は静かな瞑想のもとに記されたものではあるが,著者の激しい人間性への追求がみられる.古来,もっとも多く読まれ,数知れぬ人々を鞭うち励ました書.
内容説明
生きているうちに善き人たれ―ローマの哲人皇帝マルクス・アウレーリウス(一二一‐一八〇)。重責の生のさなか、透徹した内省が紡ぎ出した言葉は、古来数知れぬ人々の心の糧となってきた。神谷美恵子の清冽な訳文に、新たな注を付す。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
210
良書です、間違いなく良書。しんどくなったりイライラした時は本書に頼りたい。そんな気持ちになりました。理屈も良く分かるのですが、それ以上に心の芯に来るモノが本書にはあったと思います。2024/09/02
KAZOO
177
かなり昔に読んでの再読なのですが、最近読んだ本でエピクテトスの「人生談義」がこの作者に影響を与えたということで手に取りました。むかしは訳者の神谷さんがらみで読んだのですが、かなり内容的には難しかった気がしましたが、この年になって読み直すとすんなり身に染みてきます。これが人に読ませるということではなく自分の心の内を吐露したものだからなのでしょう。手元においてパラパラめくりたいと感じる本です。2022/11/07
ベイス
143
神谷美恵子さんのあとがきにあるように、この本の何がすごいって、人に読まれることを意識して書かれていないところだなと。てらいもポーズもない、まさに。だからこそ、訴えかけてくるのだ。「正しく自然に生きろよ」と何度も何度も自分自身である「君」に問いかけ続ける。繰り返しばっかりで飽きるけど、これでもかこれでもか、と繰り返されると、そのうち何かが猛烈に胸に迫ってくる。二千年も前に、こんなに「自省」を繰り返した哲人がいたんだという畏怖と感慨。その存在が私を勇気づける。時代を越えて読み継がれる理由がよくわかった。感服。2023/02/14
はっせー
109
自省録。名前からして重そうな本。しかし読んでみると想像より重くはなさそう。だが難しい。なぜそう思うかはやなり何千年も前の本のためその時の考え方や思考が理解することがしにくい部分がある。だが全体を通して読んでみると何だが自己啓発に近いものがあるが自己啓発書よりも濃くて深いように感じる。なんだがウィスキーをロックで飲んでいるように感じる。私達が読む自己啓発書はそのウィスキーを炭酸水で割ったハイボールである。そのため読みやすい。でもオトナになるためにはウィスキーのロックも嗜めるような人になりたいと思った!2022/09/22
5 よういち
108
ローマ帝国の皇帝、マルクス・アウレーリウス・アントーニーヌスが、思想や思い、自省自戒の言葉などを書き留めたとされる手記。◆全くの勉強不足なのだが、この人のことは映画・テルマエ・ロマエに出てきた人だなという程度の認識しかなかった。時代は2世紀。アントニーヌスは読書と瞑想にふけることを何より好んだそう。生まれながらにして、両親や祖父から様々な教えを受けて自身の基礎を形作っていった。◆少し言葉や言い回しが分かりにく難解なところもあって、なんとなくボヤけた感じで読み終えたところもあるが、教訓は深いと感じた。2019/09/02
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