出版社内容情報
乱世に生きた自己の見聞,史上のエピソードをふんだんに引きながら進めるセネカの論議は,巧みな対話的技法とあいまって独特の説得力をそなえている.表題作は怒りの現われ方,害悪,定義について論じたあと,いかにして自他の怒りを抑制するかを説く.『神慮について』は,災いとは人がそのもてる真価を示す好機なのだと論じる.
内容説明
ネロー帝に仕える宮廷の生と自決の死―帝国の繁栄と矛盾の中で運命の変転を体現したローマの哲学者セネカ(前4頃‐後65)。絶対権力を念頭に、怒りという破壊的な情念の分析と治療法を逆説的修辞で論じる『怒りについて』。苦難の運命と現実社会の軋轢への覚悟、真の幸福を説く『摂理について』『賢者の恒心について』を併録。新訳。
目次
摂理について
賢者の恒心について
怒りについて
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- 和書
- ポオとボードレール