出版社内容情報
フィレンツェの工房内で代々伝えられてきた、ジョット以来の偉大な絵画技法とその心構えを、画家チェンニーニが一四〇〇年頃に書きとめた歴史的文献。その内容の独自性と充実において、西洋絵画の技法書として右に出るもののない貴重な一書を、現存する三写本から完訳し、詳細な用語解説を付す。待望の文庫化。(口絵四頁)
内容説明
フィレンツェの工房内で代々伝えられてきた、ジョット以来の偉大な絵画技法とその心構えを、画家チェンニーニが一四〇〇年頃に逐一書きとめた歴史的文献。現存する三写本からの初めての完訳に、詳細な用語解説が付され、ルネッサンス前夜の絵画技法が甦る。
目次
1(練習板と尖筆;紙と尖筆;ペン素描;着彩紙;透写紙;素描の心得;素描の仕上げ)
2(顔料の種類;黒色顔料;赤色顔料;黄色顔料;緑色顔料;白色顔料;青色顔料;筆のつくり方)
3(フレスコ画法;セッコ画法;壁画彩色の各種;油彩画法;金箔と錫箔)
4(板絵を学ぶ者の心得;接着剤;石膏下地;下描きと石膏盛り上げ;金箔押しちと磨き上げ;刻印飾りと金蘭模様;板絵の彩色法;モルデンテとワニス)
5(写本彩飾画;布に描く法;各種の画法;型取り法)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
35
先だってテンペラ画の現代復刻をされている石原靖夫氏の展示を見に行って、ミュージアムショップで購入。目黒区立の試みは定期的な講習に加え、画材の再現等のワークショップもあって、石原氏に師事したいガチ勢も結構いらっしゃる。そんな第一人者も訳業に参加されてるので、ガチハウツー本途しても使えちゃう罠。古書店でボッタクリ価格だったのが文庫でバンザイなのです。2025/04/10
kenitirokikuti
8
図書館にて。14世紀イタリアの画家が残した工房絵画術の手引きである。明暗の表現に、黒色顔料によって陰影をつけるやり方はこの書にはなく、白で明るくするのみ、と解説にあった。ほか、薄紙でトレースするとか、岩山を描くにはごつごつした石を素描するとか、人の顔を石膏で型を取るやり方とか、細かな技術を興味深く読んだ。2025/05/19
Go Extreme
2
15世紀 イタリア 絵画技法 美術理論 校訂作業 手稿 ミラネージ版 トンプソン版 ラウレンツィアーノ本 リッカルディアーノ本 文献学 異同 脚注 美術史 素描 顔料 壁画 板絵 色彩技法 フレスコ画 金箔 石膏 モルデンテ 結合剤 鉛丹 アマティート 画家の役割 絵画教育 ルネサンス ジョット 注釈 参考文献 技術史 染色化学 羊皮紙 バンバジーナ紙 明暗表現 陰影 画材の選定 色の調合 絵画の発展 校訂方法 マイクロコピー ファクシミリ 美術館 技術と理論の融合 学問的アプローチ 実践的技術2025/02/13
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