出版社内容情報
「国王ご夫妻以下、僕を知らない人間はいない」--寒村に生まれながら、大いなる野心を胸に宮廷画家に上りつめたゴヤ。美と醜、善と悪、快楽と戦慄……人間の表裏を描ききった巨匠の素顔とは? 自由で即興的なデッサンのような手紙、画家としての主張を述べる意見書など、ゴヤを知る一級資料を詳細な註と共に編む。(全二冊)
内容説明
「国王ご夫妻以下、僕を知らない人間はいない」―寒村に生まれながら、大いなる野心を胸に宮廷画家へと上りつめたゴヤ。美と醜、善と悪、快楽と戦慄…人間の表裏を描ききった巨匠の素顔とは。詳細な註と共に自筆文書をほぼ全て収録、ゴヤを知る一級資料。
目次
1 出生、不遇の修業時代と宮廷での下積み 一七四六‐一七八〇年
2 サラゴーサ事件―義兄との対立と挫折 一七八〇‐一七八一年
3 売れっ子肖像画家に 一七八一‐一七八四年
4 宮廷、アカデミーでの栄達 一七八四‐一七八九年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
80
ゴヤのイメージは『わが子を喰らうサトゥルヌス』に代表される連作・黒い絵が有名だ。だから本人は生真面目な人なのかなと勝手に思い込んでいた。でも書簡を読むと親しい人にはあけすけ且つ豪快な口調で語る、愛すべきはねっかえりだったのだ!家族や友人への愛に溢れ、自信満々で簡単には折れない不屈の画家、ゴヤ。ところが本書の終盤、黒い絵の連作を描くきっかけになる戦争が勃発する。その注が出る書簡ですが輝かしい未来への希望に溢れている。その後、何が起こるかを思うと少し、心が沈んだ。2021/06/12
やいっち
68
ゴヤ(の若き日)の人となりを知るには第一級の資料だろう。開けっ広げな人柄も。ただ、上巻に限っては、ゴッホの書簡集的な文学性を求めても、無いものねだりかな。2021/11/05
ハルト
8
読了:◎ 友人マルティン・サパテールとの手紙を主に収録されている。内容は、時代は修行時代に、同じ絵師の義兄との対立。それから売れっ子画家になり、宮廷画家となるまでとなっている。薄暗さを持つ作風のゴヤの栄華の時。けれどゴヤ本人は、意外にも屈託なく、明るい性格だったのが垣間見える。特に友人マルティンには、友情を越えた愛情、友人以上恋人未満のような、家族のようにも思える情を抱いているのに驚いた。この時代には、まだ「黒い絵」連作を描くようには考えられなかったので、彼の身に、暗黒のなにが起こったのか、知りたいと思う2021/08/26
しゅうこう
1
周りに流されないで常に自分の考えを包み隠さず突き通すゴヤの性格が文章にそのまま表れていて好き過ぎる。ゴヤの生涯に纏わる本は何冊か読んできたはずなのに、彼のジェットコースターのような人生に触れる度、まるで初めて知った時のような衝撃を覚える。2023/10/05
-
- 電子書籍
- 現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制…
-
- 和書
- Model life