出版社内容情報
20歳でマケドニア王に即いたアレクサンドロス(前356-前323)はギリシアを支配し,シリア・エジプト・ペルシアを次々に征服した.2世紀ギリシアの文人政治家が描く,強烈なカリスマ性を持った大王の東征記.(全2冊)
内容説明
二〇歳でマケドニア王に即いたアレクサンドロス(前三五六‐前三二三)はギリシアを支配し、シリア・エジプト・ペルシアを次々に征服した。二世紀ギリシアの文人政治家が描く、強烈なカリスマ性を持った大王の東征記。(下)に「インド誌」を付す。
目次
第1巻(前三三六年秋‐前三三三年春)(序言。もっとも信頼するに足る原史料としてのプトレマイオスとアリストブロス。その理由;アレクサンドロスの即位。南下してコリントス同盟のギリシア諸国に、盟主権継承を認めさせる ほか)
第2巻(前三三三年春‐前三三二年秋)(メムノンとその後継者たち指揮のペルシア艦隊による、エーゲ海域への巻き返し作戦;ゴルディオス父子の「荷車」伝説と結び目の謎 ほか)
第3巻(前三三二年秋‐前三二九年夏)(ガザからエジプトへ向かう。エジプトを無血征服;アレクサンドレイア市の建設に着手する ほか)
第4巻(前三二九年夏‐前三二六年春)(使者の来往によるスキュタイ人との交渉。「さい果てのアレクサンドレイア」市を建設する;ソグディアナ人が各地でバクトリア人と連帯蜂起する。七つの抵抗拠点の攻略戦。逆攻囲された基地マラカンダへ援軍を送る ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊
26
アレクサンドロスの大遠征をローマの政治家アッリアノスが正確性を重視して記した歴史書。上巻ではアレクサンドロスのマケドニア王即位からペルシア打倒後のインド侵攻開始までが描かれている。東征記というだけあって戦争に関することが内容の多くを占める。政治的な事柄については太守の任命などの簡単な記述がほとんど。文体はあっさりしているが、無味乾燥といった感じではない。むしろ読み易くて好印象。また、戦闘描写が丁寧で読み応えがあった。ただ、同名の人物や多くの都市名、民族名には何度も混乱させられた。読み込むならメモは必須か。2014/08/23
ホームズ
16
久々に再読。軍記物語という感じではなくあった事実を淡々と書き連ねている感じで登場人物たちの個性とかは感じられないけど時々登場するアレクサンドロスのエピソードで少し人間性が感じられて良かった(笑)ペルシア帝国との戦いから休むことなくインド遠征。巻末に地図はあったけどもう少し詳しいく大きな地図がほしかったな~(笑)事実だけを書いてる感じなのにかなり面白く読めた(笑)2013/01/29
壱萬参仟縁
10
訳者まえおきで、「民衆大方の貧しい生活現実を改善し、彼らが後顧の憂いなく国防のことに従事できるようにする、その条件をととのえることがさしあたっての先決問題」(9頁)。アベノミクスも民衆賃金を上げないと物価高に対応できんよ。アレクサンドロスはほかに間道がない以上、危険に挑むべきだと決心(38頁)。リスクをとる勇気。訳注も豊富にあり、例えば、メソポタミアの原義はアラム語(アケメネス朝ペルシアの公用語)で「河間の地」(Beynnahin)に対応するギリシア語(407頁)。巻末地図のスケール壮大で結構な移動距離。2013/02/28
Saiid al-Halawi
8
水色の色付き蛮族。下巻を待たずしてもうインドに入ってるけどハイペース過ぎないかな。ハーイデケデイ!2014/08/18
読書実践家
6
マケドニア王アレクサンドロスの壮大な戦記。破竹の強さを誇り、インドへと向かう。2015/12/30