出版社内容情報
学問・教育論の後半に当る本巻では,錬金術・哲学・占星術への批判の後,正しい教育方法や児童教育のあり方を述べる.学者一般の性向の分析もまじえ,言語の習得や作詩の技巧についても詳説.全巻の固有名詞索引付.全4冊完結.
内容説明
学問・教育論の後半に当る本巻では、錬金術・哲学・占星術を科学的実証的観点から徹底的に批判し、正しい教育方法や児童教育のあり方を述べる。さらに学者一般の性向の分析もまじえ、言語の習得・作詩の技巧についても詳説。全巻の固有名詞索引付。全四冊完結。
目次
第6章 学問の種類、教育の方法、それらに関連するあらゆる事項、ならびに序言と附言(続)(錬金術の学問;哲学への反論と哲学者の堕落;占星術への反論 その到達結果の弱さ、その目的の有害性について;錬金術の効用の否定 その存在の不可能性、それが及ぼす害について;著述にあたってつねに心掛けねばならないこと、それ以外は無用である;学術書が多すぎると、かえって学問修得の障害となる;学問に関して概論書が多すぎることは、その教育に害となる;学問の教育における正当かつ有益な方法について ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
25
そして最終巻。冒頭錬金術、哲学、占星術へのダメ出しが並ぶところはニセ科学へのツッコミを彷彿とさせるあれこれがあってにやけてしまう。その後ものすごい量で語られるアラビア語の文法、語彙、その他に関する諸学についての記事はここだけ別刷りで欲しいぐらいに面白い(あ、でも今アラビア語勉強してるなら読まないほうがいいと思うけど)。で、p.349からの訳者による解説はこの4冊を読む前に読んでおけばよかったと。普段かなりの割合で最終巻解説を読んでしまってから読み出すパターンが多いんだけど、この本ではなぜかそれを(続2015/11/15
有沢翔治@文芸同人誌配布中
7
錬金術などは科学史から見れば、化学の前身とも言えるが、失敗続きでイカサマだと批判されていたことが窺える。むろんあとから見た史観になるけど錬金術師の態度はともかく、成果までも否定するのはどうなんでしょう。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51509884.html2020/01/03
CCC
6
中世イスラムの学問集大成でした。カバー範囲が広くて圧倒される。ただ話の前提に妥当性があるかどうか判断が付かない部分も多くて、素人にはハードルの高い読書でした。2015/01/27
AR読書記録
4
はー、最後までたどりついた。この巻で印象に残ったところ。哲学もそれほど評価ない、なぜならそれは、マホメットの教えによって得られるものからするとほんのわずかな部分しか、知ることのできないものだから。宗教>哲学だな、はっきり。それから後半、詩がたくさん紹介される。が、こういうのはやはり韻や音がわからないと、原詩の良さ、価値をほんとうに知る、味読するには至らないんだろな。ところでこの一節好き。「女は微笑んだ その口もとから/電光のようなひらめきがわれを襲った/われはうろたえて引き返し 涙の洋に溺れてしまった」2015/02/27
壱萬参仟縁
4
歴史序説でなくイスラム版学問のススメ、であるかのような内容。後半は詩による説明が主体となっている。前半で気になったのは、生徒に学問を教える場合、漸進的に、次に、高い水準へと進むとよいとされている(95ページ)。同感である。その後、複雑、漠然、不確実なものを説明する(95-96ページ)。これは家庭教師の仕事に思えるので、学習支援業はここに存在意義を感じた次第である。三回繰り返し、生徒が混乱しないように配慮しなければならないという(96ページ)。はやり、学問には習性が必要なのだ。パターン化といってもいいかも。2013/01/05
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