出版社内容情報
十五世紀日本社会の多彩な様相を活写した日本紀行詩文集.一四二○(応永二七)年,日本への使節として漢城(ソウル)・京都間を往復した宋希〓(一三七六―一四四六)が,その九カ月間の見聞・感慨を綴ったもので,海賊・都市・性風俗・農耕等当時の日本社会の実情を子細に記した貴重な史料.朝鮮人の手になる最古の日本紀行.原文・索引を付す.
内容説明
15世紀日本社会の多彩な様相を活写した日本紀行詩文集。1420(応永27)年、日本への使節として漢城(ソウル)・京都間を往復した宋希〓(けい)「1376‐1446)が、その9か月間の見聞・感概を綴ったもので、海賊・都市・性風俗・農耕等当時の日本社会の実情を子細に記した貴重な史料。朝鮮人の手になる最古の日本紀行。原文・索引を付す。
目次
ソウルからプサンへ
対馬と壱岐を過ぎる
博多に滞在する
瀬戸内航路を行く
京都の日々(一)―熱弁をふるう
京都の日々(二)―任務を終えて
瀬戸内航路を戻る
朝鮮へ帰る
跋語
感想・レビュー
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bapaksejahtera
7
以前読んだ「朝鮮人のみた中世日本」の典拠の一つ。1419年朝鮮は倭寇の根拠を叩くべく対馬を襲う。対明貿易に熱心であった義満と異なり冊封を否定した義持の時代、この外寇には明の関与があったと我が国は一旦誤解した。本書は対日慰撫と情報収集を目的に派遣された宋希ケイの日録であり、我が国知識人と交流した詩文を中心とする。全体は漢文書下しであり一般には読みにくい。江戸時代の「海游録」と異なり使節の緊張が伝わる。当時の奔放な性風俗の一端、農業水利と多毛作の進展、瀬戸内海賊跋扈と中央統制の未成立等理解され貴重な歴史資料だ2020/11/29