出版社内容情報
かつての隊商の道シルクロードを現代の自動車道路に! 建設ルート調査のため,スウェーデンの探検家ヘディン(一八六五‐一九五二)は一九三三年,時あたかも戦乱にあけくれる中央アジアに向けて旅立った.古代シルクロードの自然や風物を美しく描く,ヘディン最後の大旅行の記録.原書の写真・スケッチはすべて収録した.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
12
1938年初出。民族の写真が多い。文化人類学の本。零下23・9度。11月27日、ランプは駱駝の糞を燃料にしていたようで、それが燃えてしまったら、寒さがひときわ身にしみたという(65頁)。98頁のパンクした写真。まるで人生のようである。砂の谷にはまって動けないというトラックが3台(119頁)。しかも極寒の踏んだり蹴ったりな状況。テントを張ってキャンプをし、教訓を整理して頭を冷やす著者たち(第8章)。それでも、苛酷な環境にもかかわらず、彼らは元日には平穏な新年を迎えている。マイナス20度以下が常態化した世界。2013/12/26
ホレイシア
5
遠い日の夢。
はぎはぎ
3
『さまよえる湖』以来読むヘディンの著作。中国政府の依頼を受けて中央アジアへと向かうヘディン一行。時は1930年代と情勢不安定であり、人為的に足止めをされたり、危険な目にあったりというところが、物資や気候の厳しさよりも苦労を偲ばせるところである。下巻はどうなることやら。2020/01/27
kinoko
2
ヘディンという冒険家が中華民国政府の要請で新疆省までのシルクロードの調査をする話。冒険記録のような感じ。出会った人々や風景、そして大小多くのトラブルについて書かれている。砂漠を車で走ることの大変さを具体的にイメージできる。昔の車だから乗り心地もかなり悪いだろうし狭くて寒くて暑いだろう、と考えるととても大変な旅をしていたことが想像できた。冒険の目的はシルクロードを自動車道にするための調査らしいが、現在はどうなってるのだろうか。著者曰く、冒険の第一章は終わったらしい。これからの行程を考えるとこれからが大変そう2023/09/01
Като́н
1
『馬仲英の逃亡』はまだ読んでないけど、こちらだって見え隠れする馬仲英や盛世才、ホージャ・ニヤーズ、戦乱の影はじゅうぶん不穏。後半は直接的に関わってくるし。2024/08/08