岩波文庫
回想の明治維新―一ロシア人革命家の手記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 350p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003344118
  • NDC分類 986
  • Cコード C0121

出版社内容情報

維新革命を果した日本に魅せられて明治七年から一年半日本に滞在した亡命ロシア人革命家メーチニコフ(一八三八―八八)の日本回想記.維新の日本人の中に稀にみる民度の高さを発見した彼は,その謎を解くために日本史の古層にわけ入ってユニークな日本文化論を展開する.日本のロシア学事始の貴重な資料「東京外国語学校の思い出」を付す.

内容説明

維新革命を果した日本に魅せられて明治7年から1年半日本に滞在した亡命ロシア人革命家メーチニコフの日本回想記。維新の日本人の中に稀にみる民度の高さを発見した著者は、その謎を解くために日本史の古層に分け入ってユニークな日本文化論を展開する。日本のロシア学事始の貴重な資料「東京外国語学校の思い出」を付す。

目次

明治維新の日本へ
日本近海にて
日本到着
明治維新の渦中へ
日本人とは?
横浜から品川へ
日本の芝居
文部省の役人になる
東京探訪
日本史の発見―頼朝と家康
明治維新の源流
日本文化の特質
日本―教養を尊敬する風土
付録 東京外国語学校の思い出

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

14
岩倉使節団(表紙帯より)。メーチニコフはお雇い外国人(5頁)。革命家、地理学者、民族学者(6頁)。岩倉は夜襲に遭遇(58頁)。だから、福沢諭吉先生が暗殺を恐れていたのであろう。好奇心旺盛の日本人像が出てくる(75頁)。鎖国が長かった反動であろう。入墨こそは裸の人間の衣服なり(83頁)なんていう職業は、漁師、飛脚、別当だが、ちょっと複雑な心境。当時の日米共通点には、肥満の人が居ない(88頁)。和楽器は最小音で強烈な印象と感情を喚起すると欧州識者は高く評価(113頁)。大都会ほど醜悪は今も同様(139頁)。2013/08/22

yuzi

4
本作は不世出?の革命家・メーチニコフが革命を成功させた極東の島国に興味をもち、スイスで出会った大山巌や岩倉使節団の助力を得て日本で1年半の間外国人教師として過ごした際に感じたことや調べたことをまとめた書である。それにしてもこの人すごい。ドラマチックな人生送ってる。人間五十年を地でいってる。何か国語も操って、様々な地域に実際に行って得た知見をもって持論を展開していくスタイル。こんな人物でも世に出す人がいないと時の砂に埋もれてしまうのね。入れ墨天国、挨拶の口上等、当時の日本が垣間見えて興味深い。挿絵が面白い。2021/11/08

hyena_no_papa

4
日本古代史の基本文献といえば一に「魏志倭人伝」だが、これは中国からみた倭を記している。つまり外国人の見た日本である。日本人の書いた日本の記録、古くは『記紀』などとは様相を異にするのではないか。そういう気持ちからこれまで何冊か読んだが、最近読んだ中に本書が触れてあったので関連して紐解く。中盤の日本の歴史について述べている部分は舌を巻く。「解説」によれば頼山陽の『日本外史』と訳者は想定しているのだが、メーチニコフの理解の深さは驚異的とも言えよう。他にも極めて客観的具体的な記述が見られ、興味は尽きない。2021/02/03

juunty

3
明治維新に関わったロシア人の記録。いつものことながら、19世紀の文章描写はレベルが高い。当時の日本の風景を余すところなく、詳細に描いている点には脱帽。一点、興味深いところ。この作品には登場しないが、渋沢栄一が倒幕をめざす過程で、横浜で外国人との乱闘を計画したことがあったが、これは奇抜な出来事ではなくて、当時の外国人街でよくあるトラブルの一つであった。そういった点についての裏付けを知ることができて有益だった。2021/04/13

YY

3
大変鋭いロシア人の日本体験記。日本の近世における文字教育とその浸透、一方で漢学中心であることの弊害なども指摘。人力車を引くようなものでも小説を読んでる、とか。あと、崩し字が読みにくい、というのには少し安心した。他にも歴史、文化、人の見た目などなど様々なことを体験し、分析しており、どれも概して鋭い。2012/08/02

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