岩波文庫<br> インディアスの破壊についての簡潔な報告

  • ポイントキャンペーン

岩波文庫
インディアスの破壊についての簡潔な報告

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 205p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003342718
  • NDC分類 255
  • Cコード C0122

出版社内容情報

キリスト教と文明の名の下に新世界へ馬を駆って乗込んだ征服者=スペイン人たち.一五四二年に書かれたこの『簡潔な報告』は,搾取とインディオ殺戮が日常化している植民地の実態を暴露し,西欧による地理上の諸発見の内実を告発するとともに,この告発によって当時の西欧におけるユマニスト精神潮流の存在を証している.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

387
本書が書かれたのは、クリストバル・コロンの新大陸到達からわずか50年後の1542年である。著者のラス・カサスはカトリックの司教。新大陸でのスペイン人たちのあまりの極悪非道ぶりをやめさせるべく、時のスペイン皇太子フェリーペに訴えた報告書がこれ。秀吉が、また家康が抱いた怖れは、あるいは杞憂ではなかったのかも知れない。ここに展開する光景は、あたかも人間がどこまで欲望をむき出しにし、また非道であれるかの実験場であるかのごときだ。しかも、コンキスタドールは次々にやってきた。まさに悪魔としか見えなかっただろう。2014/05/27

s-kozy

48
コロンブスの新大陸発見からの50年余り、キリスト教化と文明化の名の下に新世界へ乗り込んだスペイン人征服者によるインディオの虐殺と搾取。残虐非道が日常化した植民地の実態を暴露し、西欧による地理上の諸発見の内実を告発した古典。解説には「大航海時代の幕開けからわずか半世紀後、ただひたすら虐げられた人びとの人権を守る目的で書き綴られた稀有な歴史文書」とある。2015/06/01

魚京童!

22
私がフィリペ殿下なら、黙殺する。開拓って、新世界って、植民ってそういうことだと思うから。2016/07/06

Tui

22
15世紀末にスペインが新大陸に到達して以降、布教という名のもとに黄金や宝石の略奪、殺戮が行われた。その様子は、さきに読んだ『第三の魔弾』にも書かれていたが、これは当のスペイン人聖職者による告発の記録。淡々とした残虐行為の記述に、人の業の深さが刻み込まれている。発刊後、この報告書は本人の意思からかけ離れた用途に利用されたという。すなわち、外交戦略におけるスペイン批判の手段として。国を憂う者であるほど非国民のレッテルを貼られるリスクがある状況は今も変わらない。こういった報告に伴う覚悟の大きさを考えさせられる。2015/08/22

無識者

20
題名の通り「簡潔」な報告であり、とても読みやすい。同じ人間で、しかも罪のないインディアンが、スペインから渡ってきた「キリスト教者」に殺されるか、奴隷にされるかの残虐な目に遭わされる。同じ人間がどれだけひどい目に遭わされているのかと同時に、どれだけ残酷になれるかを示している。読んでる際に、ある老人が中国で「チャンコロをやっつけてやった」と武勇伝のようにいっていた場面に出くわしたのをふと思い出した。しかしその老人は普通に優しい老人である。スペインの人もそういう感覚なのかもしれない。2016/12/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/27367
  • ご注意事項