出版社内容情報
大乗仏教の真髄『華厳経』の「入法界品」は、悟りを求める若者・善財童子が文殊菩薩に教えられ51人の神々
内容説明
大乗仏教の真髄『華厳経』の「入法界品」は、悟りを求める若者・善財童子が文殊菩薩に教えられ五十一人の良き師を訪ね、弥勒菩薩により重々無礙の真理を体験、普賢菩薩行の世界に悟入する遍歴物語。梵語原典の初めての現代日本語の完訳。第三十九章‐第五十三章。
目次
ルンビニーの森の女神
シャカ族の女ゴーパー
菩薩の母マーヤー王妃
天の娘スレーンドラーバー
ヴィシュヴァーミトラ童師
長者の子シルパービジュニャ
バドローッタマー優婆夷
金細工師ムクターサーラ
スチャンドラ家長
アジタセーナ家長
シヴァラーグラ婆羅門
シュリーサンバヴァ童子とシュリーマティ童女
弥勒菩薩
文殊菩薩
普賢菩薩―普賢行の誓願
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
加納恭史
17
おおげさな仏の神変でびっくりしたけど、少し慣れたがやはり難しい。気が楽になる「本所おけら長屋」でも楽しみながらやっと挑戦できそう。圧巻は第五十二章弥勒菩薩。これだけで百ページを越える。善財童子は弥勒菩薩の住む「毘廬遮那荘厳蔵大楼閣」に入ろうとするが、門はすぐは開かれない。弥勒菩薩に会いたい願いにより、やっと門が開く。善財童子はその徳行を弥勒菩薩より誉められる。善財童子は菩薩心の発心を起こし、これまで五十二人の菩薩たちに菩薩道の実践を問いかけてきた。弥勒菩薩はそれが次第に身について来たと言う。善知識の獲得。2024/01/07
ryohjin
15
『華厳経』を学ぶ機会があり、その勢いで上中下巻を読み通しました。『華厳経』最終章「入法界品」のサンスクリット語からの現代語訳です。文殊菩薩に出会った善財童子のさとりを目指す菩薩の旅の物語で54人の善知識(仏教の教えを導いてくれる人)を巡ります。インド由来の経典の特徴で、繰り返しや列挙(冒頭菩薩の名前が7ページ続きます)が多く、読むとときに意識が飛びそうになりますが『華厳経』の壮大な世界が伝わってきます。大乗仏教興隆期に、経典の作者が使命感と確信をもって書き上げたからこそ現代に伝わっているのだと感じました。2024/09/27