出版社内容情報
親鸞は煩悩に苦しみ続けた末,ついに人生の大悟に徹した.この書は,彼が自己の体験を生かして仏法を説き,それへの入門を明らかにした真宗の根本聖典である.本文は誰でも親しめるカナまじり文であり,専門の用語には脚注をつけ,各巻の始めにはその内容をわかりやすくするため梗概をおき,読解を助ける方法を講じてある.
内容説明
親鸞(1173‐1262)は煩悩に苦しみつづけた末、ついに人生の大悟に徹した。この書は、彼が自己の体験を生かして仏法を説き、それへの入門を明らかにしたもので、真宗の根本聖典である。本文は誰でも親しめるかなまじり文であるが、各巻の始めに梗概をおき、また専門用語に説明を付すなど、読みやすさに意をもちいた。
目次
教巻
行巻
信巻
証巻
真仏土巻
化身土巻
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gotoran
47
感想に非ず。浄土真宗の祖、親鸞聖人が著した『教行信証』。「教巻」「行巻」「信巻」「證巻」「眞佛土巻」「化身土巻」から成る。「教巻」~「眞佛土巻」までが阿弥陀仏に救われた世界が、「化身土巻」では、救われるまでの道程が、描かれていると。註釈付仮名交り古文体で読み辛い。読み始めて約2年、途中中断は数知れず、一念発起して、字面を追った感は否めないが、力ずくでどうにか読了。生家が浄土真宗であることから興味深々ではある。詳しく深く知るには、まずは解説書・現代文訳書からか。その後、本書に再挑戦したい。2015/12/25
金吾
28
わかりやすく書いたと校定の方が書いてますが、親鸞の考え方を理解していないこともあり理解不十分でした。ただ家が真宗なので読んだことには良かったです。時間が経ったらもう一度読もうと思います。2022/10/16
加納恭史
19
さて、やっと「教行信証」に取り組めるな。しかし旧仮名使いは読みにくい。同じ訳者の新装版口語訳教行信証もあり、こちらの方が数段読み易い。まあ親鸞さんの洞察力は凄いな。対比と推論は実に見事。行巻は最初から驚く。相承の師釈。一龍樹。最初からアビダルマ仏教の「空」の思想家だ。主著は「大知土論」や「十住論」。「十住論」は華厳経の内容である。すぐには確認もとれない。二天親。主著は「浄土論」。天親はアビダルマ仏教の唯心論が有名。唯心論とは通常意識の奥に無意識のマナ意識とあらや識。フロイトの無意識の自我論にに似ている。2023/12/17
ホシ
19
元より理解しようとは思っていない。今生の間に字面だけでも追えればと思い、手に取る。案の定、難解を極めるが、今までに触れた親鸞の言葉が『教行信証』のどこに記されるかを知るだけでも楽しかった。読後、改めて胸に迫った言葉は最後にある「文類著作の因縁」。流罪に遭った事を率直に「うらみをむすぶ」と記すとともに、師・法然に出会えた事の無上の喜びを綴る。心から慕う法然の下にいた6年を偲びながら、これを記した親鸞の胸中はいかばかりであったろう。「悲喜のなみだをおさへて、由来の縁をしるす」が何とも言えず、味わい深かった。2017/09/10
モリータ
12
'22/6/26、門徒だった祖母の満中陰(四十九日)。これを機に経文類が載っている本は解説を読んでから既読本棚に移し参照用とする。◆お寺さんがくれる勤行用の小冊子に実際に読まれる経文がまとめられているのだが、回収し忘れた(不便)。◆本書は万延2(1860-61)年刊行の、延書(のべがき、漢文を和文のように書き下したもの)を底本とする。「直接に眞蹟本を延書としなかったのは、古訓を傳えたいから(「解説」15頁)」。本文庫は1957年第1刷。校訂者金子大栄(1881-1976)は真宗大谷派の僧侶、仏教思想家。