出版社内容情報
聖徳太子(五七四‐六二二)は深く仏教に帰依し,その弘布に力を尽した.そうした事業の一環として「三経義疏」すなわち『法華経』『勝鬘経』『維摩経』の注釈執筆のことがあった.本書は大乘仏典中の第一の経典たる『法華経』二十七品の全部に独自の解釈をくわえたもので,太子の仏教弘宣の熱いおもいが脈々と息づいている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
19
上下巻読了まで約2年半を要した。ブログに備忘録と個人的解釈を(42記事にわたって)書いてきたせいもあるが、よくぞ読み切ったという感慨がある。下巻の後半は読み切ることに主眼をおいたため、きちんと解釈できた自信は薄い。譬えるなら、まだうまく啼けない鶯がホケキョ! と囀れずにつっかえながらケキョ、ケキョ、ケキョ、ホー……ケキョ! みたいな解釈になったという按配か。相当真剣に読んだのに、感想に駄洒落を書いてしまうのは、ある種の達成感――喜び――のなせる技だということにしておきましょう。2018/04/19