出版社内容情報
チベット医学の祖ユトクは8－9世紀の人．子孫に伝承された彼の言行，様々なエピソードを編纂して17世紀に刊行された本書は，その高い倫理性，宗教性により，今もチベット医たちの座右の書となっている．
内容説明
チベット医学の祖、第二の薬師仏と称されるユトクは、８‐９世紀の人。本書は、子孫に伝えられた様々な彼の言行、エピソードを編纂して１７世紀に刊行され、その深い倫理性と宗教性によって、現在もチベット医たちの指針となっている。ユトクの先祖の話、伝説から、亡くなるまでの出来事が語られるチベットの一大叙事詩。
目次
弟子のコンポ、ユトクに伝記を請う
主バヌマ、天界より来臨す
シェーラブ・レティとイトマの出会い
イトマと聖者バミバ
イトマ、ナーガの国へ
三人の守護尊の指示
王妃の誘拐
天からの植物
薬の種子を蒔く
薬師仏の啓示〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
5
チベット仏教。密咒者は、「学問ある尊者よ、道を得た最勝の成就者よ。（略）熱性病と寒性病を見分けることができるお方は、学問を窮めています」（115頁）。なるほど。医者が昔は極めて大切な役割を担っていた証になろう。続けて、「熱性病と寒性病が複合している場合、それを見分けることのできない医者は役立たず」（１２１頁）とも。では、良医とは、「医典を学び、幅広い視野をもつ医者」（１２２頁）云々。今も昔もいいお医者様は教養ある専門家なのだ。医学部の学生は読む本？ 過剰な塩、酒、日光、女性は病を招くようだ（２００頁～）。2013/04/18
ine
2
８－９世紀のチベットの哲学者であり、医師、薬剤師、植物療法士でもあるユトクの説く純粋な願いに心を打たれます。 世界中のすべての甘露とすべての薬が増大され、病によって引き起こされる苦しみが追い払われますように。世界中のすべての医師が寒と熱の均衡に通じ、表面的な治療にとどまることなく、患者をよく理解して、病める衆生の心を満たしますように！ 人類の歴史は病との闘いと克服の歴史ですが、人々の願いは現代も歴史も常に同じ方向を向いていました。ユトクの祈りは人類の祈りだと思います。2024/11/22
maru
0
チベット文化について、何の知識がなくても、ファンタジーとして読めば豊穣な世界を堪能できる。後期密教の瞑想ノウハウが実はてんこもり。
NativeSoon
0
シャーマンが修行中に見ている夢を神話にした、シャーマン修行の教科書。2023/02/23
