出版社内容情報
真理について、愛について、清貧について、不可触民制の撤廃について、国産品愛用運動について・・・・・。1930年、獄中にあったガンディーが修道場(アーシュラム)の弟子たちに書き送った手紙の数々。「偉大なる魂(マハートマ)」の思想と活動原理の精粋。新訳。
内容説明
1930年、ヤラヴァーダー中央刑務所に収監されたガンディーは、修道場でみずからの教えを実践する弟子たちに宛てて一週間ごとに手紙を送る。真理について、愛について、清貧について、寛容について、不可触民制の撤廃について、国産品愛用運動について…。ただただ厳粛なる道徳的観点からのみ行動した、「偉大なる魂」の思想と活動原理の精髄。新訳。
目次
真理
アヒンサー=愛
ブラフマチャリヤ=純潔・禁欲・浄行
嗜欲(味覚)の抑制
不盗
無所有即清貧
無畏
不可触民制の撤廃
パンのための労働
寛容即宗教の平等
寛容即宗教の平等
謙虚
誓願の重要性
ヤジュニャ=犠牲
ヤジュニャ(承前)
スワデシー=国産品愛用
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
106
ガンディーの思想がこの手紙に凝縮されていると言えるでしょう。獄中から修道場の弟子たちに送る手紙から厳粛な道徳観を伺うことができます。獄中にいても自らの教えを深く掘り下げていくことに時間を費やした姿は、宗教における敬虔な求道者そのものでした。非暴力の抵抗は、真理へと向かうための抵抗だということを感じます。一言一言が重く響きました。2016/10/08
キジネコ
45
「肉体は魂の永遠の棲み処ではない」「神は真理ではなく、真理が神なのだ」「宗教も人も言葉も不完全である、一本の大樹の枝葉の一つなのだ」不完全さを知ることから始めれば我々はもっと他者に寛容になれるとガンディーは云った。私達の今の世界の其処此処に他者への不寛容の成せる諍いを見ています。神の名のもと殺戮を是認する権力、自由を標榜する民主主義の選挙の立候補者が対立候補を誹謗する醜さ。技術と革新の踊り場で生み出される効率的で無慈悲な兵器。主張を曲げない首長と民衆。滅びの道が真理なのであれば、寛容が照らす未来はない。2024/07/17
ころこ
42
政治的アジテーションが無いので、パンチが効いていない、読み辛いという読者には、テクストの外部もまたテクストである。コンテクストがないと、そのテクストの本当の意味は分からない。ということで、本書の解説や『100分De名著』を読むと良い。特に後者には多数の本書からの引用があり、言葉の意味が不思議とつかめるはず(それもまたひとつの解釈に過ぎないが)。政治家や宗教者は言葉だけにこだわると評価を誤る。行為によってはじめてその言葉が意味を持つ存在だということに気付く必要がある。2022/10/04
さばずし2487398
35
ヒンズー文化のこれほどまでに厳しい概念に唸る。食べすぎれば相手の食べ物を奪っている盗人になる。普通に食べていても本来人はみな盗人。そんなふうに謙虚に地球から「頂いている」事を感じるのは、今後の人口爆発に向き合う際、必要な概念なのではないだろうか。資本主義の限界を示し国産を推奨する辺りも何十年先の世界をまるで知っていたかのよう。後半に掲載してあるガンジーの生涯も興味深かった。西洋かぶれになり、差別を知り、自国を振り返り、究極に人間の必要なものを見つめる。今の人類を駆け足で体現しているかのようである。2021/12/07
イプシロン
34
解説を含めた158ページにガンジーの精髄がつまっている。座右の一書になりうる良書。ガンジーの語りかける「わたしたち」という言葉は実に優しいし、難解で高尚な哲学をやわらかい言葉で語っている空気につつまれるだけで、幸福感をえることさえできるだろう。すべては「心」からはじまる。憎悪の連鎖を断ち切ることも、宗教間の対立を乗り越えることも、「非暴力(アヒンサー)」へと帰一し、最高峰の真理(宗教)は一如(ひとつに融合する)という見識は見事だ。マハトマ(偉大なる聖人)が、人類の父(バープー)になろうとした軌跡は美しい。2015/08/20
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